トレンドのアイコン

トレンド

vol.159『酒税法改正でのビール類の動向 その2』

前回は2023年10月1日からの酒税法改正(新ジャンル、ワインが増税、ビール、清酒は減税)で改正前後の「カテゴリーの動向」をお伝えしました。
今回は、改正前後の「メーカーや単品の動向」をお伝えしようと思います。
使用データはRDSスーパー全国:100店舗当たりの金額です。

              ■表1 ビール類各カテゴリーの販売実績:2023年9月
trend159_1.png

前年比を見るうえでの与件は下記2点です。
①2022年10月1日出荷分から各社一斉値上げ・・・2022年9月末にビール類すべて仮需発生
②2023年10月1日出荷分から、「新ジャンル」増税、「ビール」減税

2023年9月は「新ジャンル」増税前の仮需②がありましたが、前年比100.4%と仮需が発生したとは思えない低い値です。その理由は、前年同時期に①があったためでした。

先月は各社「新ジャンル」に注力して店頭での販促を行っていましたが、メーカー別にみてみましょう。

        ■表2 ビール類各カテゴリーのメーカー別販売実績:2023年9月
trend159_2.png

仮需が発生した「新ジャンル」ではサントリー社が106.8%と前年から大きく伸ばしました。
サントリー社の「ビール」での倍以上の伸びは今年4月新発売のトリプル生の影響が大きいです。

先月の新ジャンルはどのような商品が売れていたのでしょうか?

      ■表3 新ジャンル販売金額ランキング:2023年9月
trend159_3.png

前回お伝えした通り、仮需による6缶パック、ケース商品を中心に販促を仕掛け、売上を作っていたことがわかります。

今回の酒税改正後3週間経過しましたが、各カテゴリーはどのようになっているでしょうか?

          ■表4 ビール類各カテゴリーの販売実績:2023年10月直近データ
trend159_4.png

減税になった「ビール」が前年比123.1%と大きく巻き返し、本年累計でも前年を上回りました。
一方、増税になった「新ジャンル」は前年比88.9%と大きく前年を下回りました。

では大きく下回った「新ジャンル」と大きく上回った「ビール」の商品を見てみましょう。

      ■表5 「新ジャンル」販売金額ランキング:2023年10月1日~21日
trend159_5.png

上位主力商品が、軒並み前年割れをしています。

      ■表6 「ビール」販売金額ランキング:2023年10月1日~21日
trend159_6.png

      ※色付け商品:昨年実績無しの新発売商品

主力の上位商品が前年を超えているのに加えて、10月新発売のドライクリスタルも早速ランクインしており、減税に伴ってビールカテゴリーが活性化し始めていることが確認できました。
ただし、アサヒ生ビール(11位、22位)、スーパードライ生ジョッキ缶(20位)は昨年の新発売の反動で前年割れになっています。

「ビール」が勢いづいてきて、このままビールカテゴリーの指数が上がってくる年末年始に向けますます目が離せなくなってきました。


市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
※さらに詳しい資料・細分類でのランキングデータをご希望の方はこちらから
↓↓↓

サンプルデータ申込み


お問い合わせ

    • ご購入前のお問い合わせ   :
    • 03-6908-7878
    • 保守契約に基づくお問い合わせ:
    • 03-6908-7817

受付時間 9:00-18:00
(土日祝日・年末年始・当社休日を除く)

ページトップへ