トレンドのアイコン

トレンド

vol.158『酒税法改正でのビール類の動向』

2023年10月1日からの酒税法改正(新ジャンル、ワインが増税、ビール、清酒は減税)によって、どのような動きがあったかを、日別データも分析できるRDSデータで検証してみたいと思います。

8月から「10月から新ジャンル・ワインが増税になります」の告知、9月後半になると、大型スーパー、ホームセンターを中心に、増税される新ジャンルの5ケース購入でそのまま引いて持ち帰りできるキャリーカートが貰える販促商品も多々見受けられました。
今回はビール類の2カテゴリー(ビール・新ジャンル)の動向に着目し、「単缶・6缶パック・ケース」の3つの販売形状に分類し、My属性機能で分析しました。
My属性機能は、分析切り口をオリジナルで作成することができ、即分析できる便利な機能です。

今回の動きを振り返る前に、ちょうど1年前に同じような大きな動きがありましたので見てみます。
昨年、各社10月1日出荷分からビール類を4~12%値上げしました。

trend158_1.png

      ■図1 ビール・新ジャンル:販売形状別 構成比推移 2022年

今年と違う事はビールも新ジャンルもすべて値上げという事で、両カテゴリーのケース商品に①②の2つのピークが見られました。
①値上げ前最終の土/日/祝日
②最終日9月30日に向けての駆け込み
ビール・新ジャンル合計のケース構成比が通常ですと10%台のところ、合わせて40%を超えるまでの比率になりました。
値上げ前のケース単価 ビール約4,260円 新ジャンル約2,840円であることから、値上げ前最終日は値上げ幅の大きいビールの比率が大きくなっていました。
10月1日及び2日まで駆け込み需要を狙った販促がされていた痕跡は見受けられますが、10月5日になると、それぞ9月16日時点の構成比にほぼ戻ったことが確認できました。

では、記憶に新しい今回の新ジャンル増税の動きを確認します。

trend158_2.png

      ■図2 ビール・新ジャンル:販売形状別 構成比推移 2023年

ビールと新ジャンルでは、通常はビールの構成比が高いですが、9月19日頃を境に新ジャンルが逆転し、増税前最終日の9月30日には新ジャンルが63.5%まで達しました。
9月30日が土曜日という事もあり、「新ジャンルのケース」は30%に達し文字通り駆け込み需要の確認ができました。
10月に入ると「新ジャンル」が落ち込み、今回減税になった「ビール」が息を吹き返しました。

最後に売価がどの程度上がったのかも確認します。

trend158_3.png

      ■図3 ビール・新ジャンル:販売形状別 平均売価推移

      ■表1 ビール・新ジャンル:販売形状別 平均売価推移
trend158_4.png

酒税法改正前後の平均売価は、新ジャンルの各形状で約10%上昇しました。
新ジャンルケースで3,000円を大きく超え、2,980円での購入が難しくなりました。

10月は減税の追い風が吹くビールカテゴリーからは、飲みごたえが変わらないという低アルコール商品や糖質オフ、糖質ゼロ、など新商品が続々発売になります。
減税されたビール・税率維持の発泡酒・増税されたとは言えまだまだお得の新ジャンルの中から、ビールを選ぶ楽しさがますます増える秋になりそうです。


市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
※さらに詳しい資料・細分類でのランキングデータをご希望の方はこちらから
↓↓↓

サンプルデータ申込み


お問い合わせ

    • ご購入前のお問い合わせ   :
    • 03-6908-7878
    • 保守契約に基づくお問い合わせ:
    • 03-6908-7817

受付時間 9:00-18:00
(土日祝日・年末年始・当社休日を除く)

ページトップへ