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コラム・レポート

vol.52 プロモーションの見直しと再構築

残暑厳しく・・・・

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 皆様、お元気ですか? 本格的な暑さが来るのが遅かった今年ですが、今年の残暑もなかなか厳しいものがあります。われわれの商売では、気温の変化や状況によって大きく商品動向が左右されるカテゴリーと、気温とは関係なく時期が来たら売場づくりをしなくてはならないカテゴリーがあり、前者(例えば飲料や制汗材)の場合は在庫や生産体制さえ確保できていれば売上を作っていくことはできますが、後者の場合、例えば秋冬物のアパレルだとか、暖房用品といったカテゴリーは、予め決めたスケジュールに沿って商品を投入しないと、売場は穴があくし、商品の保管による在庫リスク、コストも高まり、気温とは全く関係なく売場づくりをしていかなくてはなりません。また前者の場合でも、夏物をいつまでも引っ張り、秋冬の新製品を含む新しい品揃えや棚割の実行が遅れると、反対に秋冬で予定していた数量・金額にしわ寄せがいくことになりますので、ある時期割り切って売場を変えていく必要もあります。なかなか一筋縄ではいかないものです。
 またチェーンストア協会の発表によれば、7月の小売販売状況は全体では前年比の95.1%(店舗調整前94.4)、食料品95.9%、衣料品93.5%、住関品93.3%といった結果で、こちらも残暑同様厳しい内容となっています。

プロモーションの再構築

 さて、このような状況を踏まえると、定番変更と同時に、この下期のプロモーションについても計画の見直しが必要となるかと思います。メーカーさんも問屋さんも小売りも企業であるわけですから、上期のマイナスを下期で取り返して当初の年間目標を達成しなくてはなりません。
 計画を立案する際には、数値目標(予算)に対して、何をどのように売ってその目標を達成するのかを考え、それをカテゴリー別に落とし込み、重点販売商品を決め目標値を設定し、計画書を作成する、つまり数値目標と商品計画に整合性があるストーリーになっていることが重要だと以前申し上げました。
 よって上期マイナスした分をどのように取り返すのか、その対策を盛り込んだ下期の計画に修正しなくてはなりません。このような場合、定番の計画修正をするよりも、プロモーションの内容を見直すほうが、より即効性があるはずです。見直しの視点としては、「本当にその商品、その価格で戦えるのか、数量、金額の増加は見込めるのか、競争力はあるのか」ということであったり、企画そのものを再考して、その商品だけでマイナスを取り返すことができるのか、「商材の見直し、商品の追加」をして、どの程度売上のプラスオンが見込めるのかをシミュレーションしなくてはなりません。また一番効果テキメンなのは、売場を広げることです。広げるといっても店舗の物理的スペースを広げられるわけではありませんので、エンドキャップや催事場を獲得するという意味です。そのために魅力ある商品催事企画を提案し、明らかにプラスとなる売上を作ることです。ただし店舗の催事スペースはみんなが欲しがる激戦区ですので、その企画の内容、早めの提案が大変重要です。そしてその企画や催事を実施することによってカテゴリーの数字にどの程度インパクトを与えられるかを明確に伝えられなくてはなりません。
 また予算は売上だけではありませんので、利益面でも双方合意できる内容になっていなくてはならないので、メーカー、問屋、小売りの協業体制はしっかり構築しておくべきかと思います。直接売買差益で貢献できなくても、何らかの形で利益貢献できるネタは仕込んでおいたほうがよいと思います。

 さらには、どんな企業であれ売上が悪ければ経費やコストの削減を始めるのは致し方ないことで、チラシ費をはじめとした販促費用の削減も想定しなくてはなりません。その場合にどんな販売方法や訴求方法をしていくのか、何が協力できるのか、知恵を絞らなくてはなりません。例えばポイント制度やクーポンの活用など、チラシ以外で効果が想定できる販促手段を検討するなどしてみたほうがよいと思われます。 buyer0052_2.jpg あるいは相手先の小売業がネット通販やネットスーパーなどの新しい分野での販売チャネルに取り組んでいるのであれば、それを活用することも優先的に考える必要があります。ネットにおける販売促進策の事例を研究して、我がカテゴリーに転用するとしたらどのようなことができるのか、提案資料をまとめておくことも大切です。
 プロモーションは集客や点数拡大を目的として、結果的に売上の向上につながっていなくては意味がありません。集客とは魅力ある価格だけではなく、時流に合わせた企画が必要です。過去の成功事例にとらわれることなく、幅広く情報収集し、出来れば斬新な企画で新しい売上を作れたら最高です。

いずれにしてもマイナス分をカバーする施策を考え、早めに提案するためには、先方とのコミュニケーションを深め、マイナスの状況(売上、利益のその度合い)や先々のセールス企画(打ち出しタイトル)等の情報を手に入れて、効果効率を高めていくようにしたいものです。

苦しい時期こそ新しい発想が生まれると信じて、皆さん、頑張りましょう!

2012年9月 6日 10:25

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