vol.30　『家計調査から見るトレンド』

今月は、総務省統計局から毎月発表されている家計調査のデータをPlano-POSに取込んで、家計調査のデータを分析してみました。

図1は、6月30日に発表された2009年5月分の食品部門をPlano-POSで分析し、出力した帳票です。
食品部門全体は前年比101.5％で、大半の部門で前年を上回っていますが、調理食品（99.9％）、肉類（99.7％）、酒類（99.2％）、魚介類（95.7％）などの部門が前年を下回りました。

図1 家計調査（二人以上世帯）支出額（2009年5月　総務省統計局）

図2はさらに詳しい内容をランキングで表示したものです。
生鮮では、バナナ（131％）を筆頭にキウイフルーツ（124％）、ぶどう（119％）、キャベツ（116％）、レタス（116％）、節約メニューで注目されたもやし（114％）などが好調です。

冷凍調理食品（119％）、ぎょうざ（116％）は昨年の落ち込みから復調しています。 カテゴリーとしては前年割れしていた酒類も、個別に見るとウイスキー（130％）、ぶどう酒（117％）、他の酒（113％）と好調です。支出における構成比が高いビール（86％）の落ち込みが大きく影響していると思われます。

カテゴリー別でも好調だった菓子類や飲料を個別にみると、
キャンデー（122％）、他の洋生菓子（115％）、アイスクリーム・シャーベット（115％）、スナック菓子（109％）、チョコレート（109％）、乳飲料（118％）、炭酸飲料（117％）、コーヒー飲料（113％）、ミネラルウォーター（109％）などが好調です。

図2 家計調査（二人以上世帯）支出額ランキング（2009年5月　総務省統計局）

順位.	商品名	金額（円）	前年比（％）	構成比（％）
1	もも	8	160	0.02
2	バナナ	573	132	0.97
3	ウイスキー	116	131	0.2
4	小麦粉	73	129	0.13
5	乾うどん・そば	287	125	0.49
6	キウイフルーツ	165	125	0.28
7	キャンデー	233	123	0.4
8	こんぶ	96	122	0.17
9	冷凍調理食品	467	120	0.79
10	ぶどう	37	120	0.07
11	乳飲料	105	118	0.18
12	炭酸飲料	301	118	0.51
13	ぶどう酒	184	118	0.31
14	キャベツ	273	117	0.46
15	レタス	201	117	0.34
16	たこ	123	117	0.21
17	ぎょうざ	174	116	0.3
18	れんこん	44	116	0.08
19	ココア･ココア飲料	23	115	0.04
20	他の洋生菓子	568	115	0.96

家計調査で前年比の伸びが大きかった商品を、RDSの市場データでも分析してみました。 家計調査で伸びていた、バナナやもやしも前年比が大きく伸びています。

図3 バナナともやしの売上金額（2009年5月　RDSスーパー全国）

冷凍調理品やぎょうざも復調しています。

図4 冷凍調理品とぎょうざ（チルド）の売上金額（2009年5月　RDSスーパー全国）

酒類ではウイスキーと果実酒（ワイン）、その他の飲料ではコーヒー飲料や炭酸フレーバー、水、乳飲料などが好調です。

図5 ウイスキーと果実酒（ワイン）の売上金額（2009年5月　RDSスーパー全国）

図6 コーヒー飲料や炭酸フレーバー、水、乳飲料の売上金額（2009年5月　RDSスーパー全国）

乳飲料のカテゴリーをRDS市場データでさらに詳しく見てみると、牛乳や豆乳、乳酸菌飲料が伸びていることがわかります。

図7 乳飲料カテゴリー詳細の売上金額（2009年5月　RDSスーパー全国）

このように家計調査のデータの裏づけとして、また家計調査のデータを市場データでさらに詳しく分析したい時などにもRDSデータは活用できそうです。

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2009年7月28日 17:30