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vol.26 『節約志向で野菜売上アップ、果実はダウン』

 イチゴや柑橘類に加えて、春キャベツに、新じゃが、新玉ねぎなどの春の野菜が売場に並び始めたせいか 最近、青果売場がいっそう賑やかさを増してきました。この春の青果の市場POSデータを分析してみると、家庭の「節約志向」がはっきりと表れる結果となっています。

図1.青果商品別売上実績(2009年2月23日~3月29日)(全国RDSスーパー調べ)

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 直近、5週(9~13週→2/23~3/29)のデータを見てみると、節約志向で外食が減り、家庭でお料理する機会が増えたため野菜は前年比大幅アップでした。

 他方で果実はバナナを除いて大幅に前年比割れしてしまいました(図1。今回掲載した帳票は全てJANコードのついた商品のみを対象に分析したものです)。
 ひな祭りもあり、この時期、最も売れるはずのイチゴも前年比6割と大幅に下回り、3月から売場で存在感を増すオレンジも前年比7割程度にとどまっています。

 イチゴ落ち込みの理由については節約志向に加えて、昨年より価格が高めであることなどが考えられます。店頭での価格が高めの「あまおう」と、とちおとめを代表とする「その他いちご」に分けて価格を分析すると、「あまおう」は昨年より平均価格が約30円高、「その他いちご」は約50円高でした(図2、3)。

図2.「あまおう」年別平均売価推移(9週~13週)(全国RDSスーパー調べ)

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図3.「その他いちご」年別平均売価推移(9週~13週)(全国RDSスーパー調べ)

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図4.「あまおう」、「その他いちご」売上実績(2009年2月23日~3月29日)(全国RDSスーパー調べ)

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 「その他いちご」は安値感が大きな魅力でもあったため、今年の9~13週では前年比を大きく下回ってしまいました(図4)。
 今年は栃木産「とちおとめ」が曇天による影響で市場に出回る量が減っているため、価格が昨年より高い状態が4,5月のシーズン終盤まで続くようです。

 青果売場の担当者の方は、景気が悪くなると販売が落ちやすい果物売場で、値ごろ感ある売場を作りたいが市場の影響で思うとおりに作れず苦労されたのではないでしょうか。

図5.「野菜種、苗」売上実績(2009年2月)(全国RDSスーパー調べ)

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 この不況の中、外食の回数を減らす→家庭でお料理をする機会が増える、からさらに進んでご家庭で野菜作りをする人も増えているようです。RDSスーパー全国の2月をMy属性「野菜種・苗」で分析すると売上が前年比1.5割増しでした(図5)。
 中国産野菜から多量の農薬が検出されるなど「食の安全」や健康志向の高まりから始めた家庭が多いようですが、このところの不況が追い風となって今後増える可能性がありそうです。そこで、試しに青果売場に「ベランダ菜園キット」を置いてみるというのはいかがでしょう。「消費する」行動から「作り育てる」行動へも少しだけ関われるという楽しさがあり、家庭の野菜に対する関心も高まるのではないでしょうか。(どういう形で置くかは、少し問題かもしれませんが)。


今回の帳票は全て、RDS市場データを取り込んであるPlano-POSで作成しました。今回使用した、「いちご」や「オレンジ」、「その他いちご」といった分類は「My属性」の機能を使って作成しています。My属性は、Plano-POSPlanogrammerの機能で、必要な時にすぐその場で、自由に商品の属性を設定することができます。


2009年4月10日 10:18

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