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コラム・レポート

vol.11 プレミアムな商品たち

皆さん、こんにちは。

今回は、最近増えてきたプレミアム商品について語ってみたいと思います。 そもそもプレミアムとは、どのような形容なのでしょうか。

・ 高付加価値のもの。
・ 何かの事由により相場以上の価値や値段がついたもの。
・ 限定的に生産、提供されるもの ・・・ 等々

言葉の使い方によって様々な意味に取れると思いますが、今、食品や消費財の中では、通常の商品より高い付加価値を与えられた商品や期間限定商品に対して使われていることが多いと思われます。

高い付加価値とは、製法、原材料、素材などが通常の商品と比較し、手間や時間やコストがかけられているということであろうと思いますが、消費者がそれを付加価値と思えるか否かが肝心なポイントではないかと思います。

日常的に使う、食べる商品と比べて、限られたシーンや機会に消費される商品がプレミアム商品のはずですが、いわゆる贅沢品や憧れ商品とは違って、より身近な存在であってほしいと思います。つまり、コモディティ商品と高価な贅沢品の中間にあり、毎日は消費しないが、週末や人の集まりがあった時、精神的な充実感がほしいときに、直ぐに入手できるところに位置づけられていてほしいものです。

プレミアムに期待されるインパクト

このような性格の商品なら、当然、客単価アップや今まではあまりそのカテゴリーを購入しなかったお客さんのトライアルユースを取り込むことによるPI値(買い上げ率)の向上に寄与しなくてはならないと思います。特に土日週末やセールスの立ち上がり日などにお買い上げいただけるよう、露出を高める工夫も必要になるかと思います。
当然通常商品よりも単価が高くなる商品もありますので、売上の向上も見込まれるでしょうが、本来の目的としては、お客様の選択肢の広がりから、販売点数の伸びや新規の顧客層の取り込みが期待されるべきではないかと思います。
ということは・・・ プレミアム商品が起爆剤となってカテゴリーの活性化が起こり、売れ数、売上の構成比が変化し、売場作りや棚割が今までと大きく変わってくるということが起こる可能性もありうるといえるでしょう
また反対に、そうなるように先回りして店頭の売り方や提供方法を変更して、お客様に提案型の売場を作っていくアクションも必要かもしれません。

売場での表現

では実際の売場ではどのようにプレミアムな商品を表現してあげるべきでしょうか。
基本的には二つの方法が考えられます。一つ目は、ベースとなる商品とそのプレミアムといえる商品を隣接させて、ターゲットのお客様に選択肢の広がりをアピールして、購買頻度の向上をねらう方法です。
小売業では、品揃えを考える際に、「品揃えの<幅>と<奥行き>」という言葉で商品の範囲を考えます。<幅>は品種、ラインの数、<奥行き>」はSKUの数をどの程度持つか、ということになりますが、カテゴリーによって定義は微妙に変わってくるはずで、例えば、幅をブランドの数、奥行きを商品のサイズとしたり、幅をグレードとし奥行きを用途としたり、様々な品揃えマトリックスが考えられます。

つまりプレミアム商品を通常商品と隣接させて棚割を組むことによって、幅の広がりを協調することが可能になるかと思います。但し、認知率の低い商品は埋没してしまうというリスクも潜んでいますので、POPやショーカードなどを添付するという配慮も必要になるでしょう。

二つ目としては、プレミアム商品を集めてくくってしまうという方法です。これは新たなサブカテゴリーの育成と、対象顧客を完全に差別化してしまうということで、効果が得られると思われます。
これらの使い分けは、その企業の売場スペースや売場の考え方はもちろん、店舗の商圏特性、エリア内シェアを考慮することも必要かと思われます。

これからも

今後も、あらゆる分野の商品群でプレミアム商材が開発されてくることと思いますが、先回のコラボでも申し上げたとおり、一過性で終わるプレミアム商品であってはほしくないと思います。必ずその商品が世に送り出された使命が正しくお客様に伝わり、消費者に対して選択肢の広がりという付加価値を提供できるサブカテゴリーに育成してほしいと思います。
その為にメーカー様も小売も、・品揃え ・棚割 ・販促 ・価格 というカテゴリーマネジメントの4つの戦術を真剣に考えて売場で展開しなくてはなりません。
まずは販売点数を伸ばすことを第一優先として、プレミアム商品を活性化の起爆剤として育てましょう。

2007年12月21日 16:26

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