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vol.11 『マヨネーズ市場の変化』

 2006年3月7日、農林水産省が『国産の強みを活かした農業生産の展開等に関する意識・意向調査』のアンケート結果を公表しました。

 このアンケートでは、農産物の購入に関する農業者及び消費者の意識や、農産物の生産段階・提供段階に関する意識・意向等が調査されています。簡単に言うならば、「消費者は安全性や鮮度を国産品に求める傾向にある」というような結果となっていました。ご興味のある方はのぞいてみてください。

 その中で興味深い項目がありましたのでご紹介したいと思います。

図1. 食生活の変化に関する消費者の意識『10年前と比べて、食生活は変化したと思うか』

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 図1は、”食生活の変化に関する消費者の意識”という項目の中の『10年前と比べて食生活は変化したと思うか』という問に対する集計結果です。
 「変わったと思う」 が43.7% 「どちらかといえば変わった」39.5% で合計83.2%を獲得。2つを合わせると、実に83%以上の人が「変わったと思う」と答えています。

 それでは、いったいどうして食生活が変化したのでしょうか?

図2.『10年前と比べて食生活が変わった理由』

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 図2は、『10年前と比べて食生活が変わった理由は何か?』という調査結果です。

 「健康のために、食事の量や質に気をつけるようになったから」という回答がトップとなっており、消費者の健康志向の高まりをみてとることができます。

 では、具体的にどのような品目に影響があったのでしょうか。

図3. 「この10年間で消費者が日常生活に摂取する食事量に占める割合で減少したと思う品目」

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 図3は、『この10年間で消費者が日常生活に摂取する食事量に占める割合で減少したと思う品目』 という調査結果です。
 狂牛病の影響でしょうか、【肉類】がトップ。つづいて【油脂・調味料】となっています。この2つに関しては、実に60%以上の方が「減少した」と答えています。この【油脂・調味料】は油、バター、マヨネーズ、ドレッシングなどのことです。

 先ほどの調査(図2)を受けて考えてみると、「健康のためには油脂や肉類はよくない」という意識が消費者の中に浸透しているようです。しかし、その【油脂・調味料】でも、近年”健康”をキーワードにした商品が続々と発売されています。

○エコナマヨネーズタイプ(花王)    02年9月
○ピュアセレクト サラリア(味の素)  04年9月
○ディフェ(キユーピー)        05年10月
○リケン ノンオイル(リケン)      06年2月

 これらの商品は、いったい消費者にどのように受け入れられているのでしょうか?マヨネーズ市場(マヨネーズタイプも含む)をRDSデータで分析してみることにしましょう。
(※以降、マヨネーズタイプもマヨネーズとして記載させていただきます)

図4. 【2005年3月〜2006年2月】の売上実績(RDSスーパー全国)

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 図4は、直近1年間(2005年3月〜2006年2月)の売上実績データです。
PlanogrammerよりMy属性を付与し分析を行いました。ここでの属性は、以下の3つに分類しました。
 ○通常のマヨネーズ
 ○カロリーハーフ&クォーターのマヨネーズ
 ○健康系のマヨネーズ(エコナ・サラリア・ディフェ・リケン等)

 今回健康系に分類したマヨネーズは、ハーフやクォーター等のようにカロリーが低いだけでなく、コレステロール値を下げるもの、ゼロのもの、脂肪がつきにくいものなど、より、健康に特化した商品を対象としました。例えば、「ピュアセレクト サラリア」はコレステロールを下げる働きがあるのだとか。

 マヨネーズ市場全体では、売上が伸び悩んでいることしかみてとれませんでしたが、独自の属性を振り分けることにより、健康系マヨネーズの売上が伸びていることが見えてきました。

 それではさらに、分析をしてみたいと思います。

図5. 「マヨネーズ分類別構成比変化」

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 図5は、図4で設定したMy属性を切り口とし、2005年2月と2006年2月の構成比を比較したものです。2つを比較してみると、健康系のマヨネーズの構成比がアップしていることがみてとれます。さらに、ハーフの構成比にほぼ変動がないこともわかります。
 図4で、マヨネーズ市場自体が伸びていないことは確認済ですので、このことから、既存のマヨネーズ顧客の一部が、健康系マヨネーズ顧客へと移動したと予想することができるのではないでしょうか。

図6. 「マヨネーズ分類別平均売価推移」

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 図6は、設定したMy属性で分析した平均売価推移です。
 通常のマヨネーズが200円前後なのに対し、健康系のマヨネーズは350円前後です。150円というかなりの価格差ですが、売上を伸ばしている健康系マヨネーズ。「お金をかけても自分のニーズに合ったものを購入する」というスタイルが確立されてきているようです。

 最後に 2006年2月のマヨネーズ売上ランキングを掲載いたしました。色がついている部分が、今回健康系に分類したマヨネーズです。健康が重視されている現在、一見健康とは程遠い商品だからこそ、注目する価値のある市場かもしれません。

図7. 2006年2月 マヨネーズ売上ランキング

全国RDSスーパー調べ

RDSスーパー全国
No.
JANコード
商品名
メーカー
金額
1 4901577000058 キユーピー マヨネーズ 500g キユーピー
5,163,151
2 4901577037801 QP ハーフマヨネーズ 400g キユーピー
2,994,765
3 4901001003037 味の素 ピュアセレクトマヨネーズ 400g 味の素
2,292,314
4 4901577543722 ニチリウ・キユーピーマヨネーズ 400g キユーピー
1,381,637
5 4901577057748 QP ディフェ 210g キユーピー
1,309,254
6 4901577171369 CGC キユーピー マヨネーズ 500g キユーピー
1,228,214
7 4901001007226 味の素 ピュアセレクト サラリア 250g 味の素
1,123,359
8 4901577000010 QP マヨネーズ プラスワン 1000g キユーピー
1,027,865
9 4901001003044 味の素 ピュアセレクトマヨネーズ 600g 味の素
935,500
10 4901001313273 味の素 マヨネーズ ピュアセレクトハーフ 400g 味の素
892,725
11 4901301754745 花王 健康エコナマヨネーズタイプ 400g 花王
621,182
12 4901301754738 花王 健康エコナマヨネーズタイプ 250g 花王
556,022
13 4901577301094 キユーピー マヨネーズ 350g キユーピー
545,303
14 4901001003051 味の素 ピュアセレクトマヨネーズ 1kg 味の素
379,129
15 4901577294884 QP ゼロノンコレステロール 400g キユーピー
369,698
16 4901577001666 QP マヨネーズ チューブ 700g キユーピー
308,770
17 49840292 QP マヨネ−ズ 200g キユーピー
295,797
18 4901577294891 キユーピー ゼロノンコレステロール 210g キユーピー
291,999
19 4901001337767 PSスーパーローカロリー マヨネーズ 250g 味の素
271,735
20 4901870163047 CGC Sプライス マヨネーズ 500g シジシージャパン
226,390

*参考サイト*
農林水産省 http://www.maff.go.jp/
アンケートページ http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20060307press_2.pdf

(株)マーチャンダイジング・オンでは、JICFS/RDSデータ(商品 及び POSデータ)を、月額68,000円という格安料金にて提供しております。ここで出力しているデータは、弊社POSデータ/棚割分析ソフト『Planogrammer』『市場POS分析ツール』を使用して作成いたしました。

・分類は、容量・名称などを基としてMy属性を設定、出力しております。
My属性とは・・・Planogrammer・市場POS分析ツールでは、独自にそして簡単に属性分類を設定することが可能です。


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2006年4月11日 12:29

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