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PB売上から読み解く物価高における消費者の行動
近年、原材料費の高騰や国際情勢の影響などを受け、断続的かつ記録的な物価上昇が続いています。メーカー各社が相次いで値上げを発表するなど、私たち消費者の生活にも大きな影響が及んでいます。
こうした中、家計の負担を抑える選択肢の一つとして存在感を高めているのが、PB(プライベートブランド)商品です。
今回は、RDS市場データを使ってPB商品とNB(ナショナルブランド)商品の販売構成比を分析し、物価高が続く中で消費者の商品選択にどのような変化が見られるのかを読み解いていきます。
■食品全体(生鮮除く)のPB売上比率は年々上昇、10%へ
「My属性」機能を使ってPB商品(約10万SKU)をグルーピングし、RDS06 スーパー全国における直近3年間の大分類別(生鮮除く)PB売上比率を算出したものが表1です。
いずれの分類でもPB比率は年々上昇しており、2026年は7月までの累計で、食品全体のPB売上比率が10.0%に達しています。
(表1)
(RDS06スーパー全国:2024年1月~2026年7月から作成)。
さらに、小分類単位で2026年のPB比率が高いカテゴリーを見ると、以下のようになっています(表2)
(RDS06スーパー全国:2025年1月~2026年7月から作成)
いずれも、ブランドによる味や品質の差が出にくい「素材」や日常でよく使う「コモディティ」といったカテゴリーが上位を占めているようです。NB商品との価格差を見ながら、合理的にPBを選ぶ動きが強くなっているのではないでしょうか。
■食料品の値上げ関するニュース
2025年1月~2026年6月までの食品メーカー各社の発表から値上げニュースを時系列にまとめてみました。これらの情報とRDS市場データを組み合わせ、PB商品に関するいくつかの特徴を見ていきたいと思います。(表3)
■「乳製品」「調味料」「飲料・酒類」から見る3つのケース
【ケース1】:必需品のPB定着化
2025年8月1日の乳業大手(明治、森永、雪印メグミルク、よつ葉)による一斉値上げを景気に、「牛乳・チルド飲料」のPB比率は8月に11.0%へ上昇。その後も、10%後半から11%と高い水準を行き来している。一度、PBへ切り替えた消費者は、その品質を体験したことでPBへの「定着化」が進んだものと思われます。
このパターンには2種類あって、年末など「ハレの日」のタイミングで日常習慣が一時中断され、一次的に構成比が低くなるパターンと、「ハレの日」の影響を受けないパターンです。
前者の例として、「ヨーグルト」「カレー・シチュー」、後者の例として「牛乳・チルド飲料」「納豆」があげられます。
(RDS06スーパー全国_2025年1月~2026年7月から作成)
【ケース2】:「ハレの日(非日常・イベントなど)」にNBに回帰するケース
お盆、クリスマス、年末年始など、「ハレ」のシーンになると、財布のひもも緩まり、ブランド価値(おいしさ、豪華ささなど)を求めてNBへと回帰する傾向が見られるカテゴリーです。
代表的なカテゴリーとしては、「酒類」。特に顕著だったのが、「ワイン類」「RTD」 などでした。
(RDS06スーパー全国_2025年1月~2026年7月から作成)
【ケース3】:「PB無風」NBロイヤリティ絶大
値上げを実施したにもかかわらず、炭酸飲料は1.3%前後、ビール類は、2.4~2.8%の間でほぼ横ばい。
コカ・コーラやスーパードライ、プレミアムモルツなど、強いNBブランドが多く、家計が厳しくともPBに妥協しない聖域となっています。
(RDS06スーパー全国_2025年1月~2026年7月から作成)
■まとめ
かつて、デフレ期に見られた「安さのみを追い求める」姿勢とは異なり、現在の消費者は「生活の質を維持しながら、いかにコストを最適化するか」という経済的かつ合理性ある消費行動に変化してきており、PB商品とNB商品を厳しく選別していると言えるのではないでしょうか。
今秋には2026年内最多となる約4,500品目の値上げが控えており、大規模な値上げラッシュとなる見通しです。今回ご紹介した分析が、カテゴリーごとの特徴を見極め、PB・NB商品の販促計画を検討する際の一助となれば幸いです。
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