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vol.188『エナドリで攻めた後はカフェインレスで整える?』
ついに梅雨も明け、年々危機感と恐怖感が増す“夏”がやってきました。特にビジネスパーソンにとってはストレスに追い打ちをかける暑さに負けないように「いかに集中し効率を上げて業務をこなし、いかにしっかり休めるか」という『オンとオフの切り替え』が今まで以上に大切なポイントになっていると思います。
厚生労働省が提唱している『健康日本21』の運動・栄養・休養の3つの柱でも、これまでは運動や栄養に注目が集まっていましたが、今求められているのが「休養」の質です。この「休養」の質を高めたいとの消費者のニーズから、ヤクルト社のY1000が爆発的に売れたのは記憶に新しいところです。
Y1000のコピーであった「睡眠の質」というと、カフェインを控えると言う行動が思い浮かぶのではないでしょうか。そんな消費者のニーズもあってか、数年前まで店頭で2~3SKUだったカフェインレス商品が、ある店舗ではコーヒーの棚1段すべてというぐらい商品が店頭に並んでいるというように変化しています。
RDS-POSからその変遷を見ていきたいと思います。
■カフェインレス市場の変遷
RDS-POS食品全カテゴリー※1から『カフェインレス・カフェインフリー・デカフェ等』の名称がつく商品をグルーピングし、カフェインレスカテゴリとして分析してみました。
【表①】
※1:分析条件:RDS-POSスーパー全国生鮮・総菜を除くカテゴリーから『カフェインレス・カフェインフリー・カフェインレス等』の名称がつく商品をグルーピングし、カフェインレスカテゴリとした。
※2:2026年の値は、1月〜6月の実績を基にした12か月換算の推計値。
上記グラフからカフェインレス市場が拡大している事実が確認できます。2018年に100店舗当たり約26,643千円だった売上金額は、2026年の推計値※2では100店舗当たり約45,272千円へと、1.7倍以上にまで成長する見通しです。
拡大の大きな要因として、SKU数の増加も寄与していると考えます。2018年の85品から成長を続け、2023年には191品とピークを迎えました。現在は市場が成熟期に入りつつあるようにみえますが、2018年比で倍以上のラインナップが維持されていることは消費者からの強い支持の表れでありカフェインレスが一時的な流行ではなくなっていると考えます。
またカフェインレス市場が市民権を得た裏付けとして、平均売価が上昇しているにもかかわらず、購入数量が伸び続けているという「高付加価値化」が実現していることも言えると思います。
【表②】
※1:分析条件:RDS-POSスーパー全国生鮮・総菜を除くカテゴリーから『カフェインレス・カフェインフリー・カフェインレス等』の名称がつく商品をグルーピングし、カフェインレスカテゴリとした。
※2:2026年の値は、1月〜6月の実績を基にした12か月換算の推計値。
上記のグラフのように、平均売価は2018年の292円から、2026年には388円へと約100円も上昇。通常、価格が上がれば需要は落ち込むものが多いですが、前表①の数量も91,214個から116,734個へと大きく伸長しており高単価であってもその価値に納得して選ぶ消費者が増えていると想像できます。
■カフェインレスの支持層
RDS-POSと当社商圏分析システムMapQuickWebの情報を合わせた『商圏POS』を利用し、カフェインレスと相反する象徴としてエナジードリンクカテゴリ-と比較して直近1年の商圏属性データ※3を分析してみました。
※1:分析条件:RDS-POSスーパー全国生鮮・総菜を除くカテゴリーから『カフェインレス・カフェインフリー・カフェインレス等』の名称がつく商品をグルーピングし、カフェインレスカテゴリとした。
※3分析期間2025年7月~2026年6月の直近12か月実績。
世帯年収300万円未満の層におけるカフェインレスの購入構成比が38.8%であるのに対し、700万円以上の層では43.6%~45.3%と、購買力のある高年収層ほどカフェインレスを積極的に支持していることがわかりました。
対して、エナジードリンクは年収が上がるにつれて購入割合が低下する傾向(61%→56%)がわかりました。対照的な結果から、世帯年収が高いほど、健康への意識が高く、日々の生活の中で賢くカフェインをコントロールしているのではないかと考えます。
注釈となりますが、商圏POSは国勢調査をベースにしているので、居住エリアでの購買傾向を示しています。この背景を考慮しても、高年収層は自宅でさらにしっかり休息を取る傾向があると言って過言ではないかと思います。
この結果から「取扱店率」の低下という事実もわかりました。
【表④】
※1:分析条件:RDS-POSスーパー全国生鮮・総菜を除くカテゴリーから『カフェインレス・カフェインフリー・カフェインレス等』の名称がつく商品をグルーピングし、カフェインレスカテゴリとした。
※4:2026年の値は、1月〜6月の実績。
2018年には92.6%の店舗で扱われていましたが、直近※4では69.2%まで集約されています。それにもかかわらず、売上は伸長しています。このことから「どこでも買える」状態ではなく、健康意識の高い顧客や高年収層が集まる特定の店舗でしっかり売るということが起きていると考えます。
■まとめ
カフェインレスの商品は少し前まで「カフェインを抜くと味が落ちる」というイメージを持たれている方が多かったのではないかと思います。今ではメーカーの努力により、最新技術で改善され、イメージが大きく変わったことも大きな要因と考えます。
忙しい日々を送っているビジネスパーソンにとっては仕事と体のケアを両立させる良い選択肢なのかと思います。
ラインナップも増えたので自分に合う「カフェインレス商品」を見つけ、日中のエナジーチャージと夜のリラックスを賢く使い分け、明日からまた頑張っていきましょう!!
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