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vol.180『暑い夏こそ“すっきり”が売れる? 水出し嗜好飲料のトレンド事情』

ようやくさわやかな季節が到来しましたが、ほんの少し前まで蒸し暑い日々が続いたと感じる方も多いのではないでしょうか。気候的にはようやく落ち着きを見せ始めましたが、メーカー営業の皆さまにとっては、あと数か月もすれば春夏商戦のご提案時期に差し掛かる頃かと思われます。

そこで今回は、記憶が新しいうちに来春・夏施策のヒントとなるよう、水出し(コールドブリュー)嗜好飲料のトレンドに注目してみました。すっきりとした味わいで人気を集める水出し(コールドブリュー)カテゴリーの動向を、POSデータをもとに探っていきます。

まずは本編に入る前に、嗜好飲料全体の年次POSデータを俯瞰してみましょう。

【図1】RDSスーパー全国 6年間年次POSデータ JICFS分類嗜好飲料 年次売上:100店当たり
◆売上金額(万円)

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◆売上数量(千個)

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6年間で最も売上が伸長したのは2020年です。こちらはコロナ禍による巣ごもり需要の影響によるものです。
続いて売上金額が2番目に高いのは2024年ですが、こちらは主に値上げの影響によるものであり、売上数量は6年間で最も低い水準となるなど、苦戦がうかがえます。

では次に、水出し(コールドブリュー)に絞ってデータを見ていきましょう。

【図2】RDSスーパー全国 6年間年次POSデータ 水出し(コールドブリュー) 年次売上:100店当たり
※JICFS分類嗜好飲料より、“水出”もしくは“コールドブリュー”と名前の付く商品をグルーピング
◆売上金額(万円)
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◆売上数量(千個)
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6年間で右肩上がりの推移を示しており、その中でも最も売上が高いのは、金額・数量ともに2024年となっています。
嗜好飲料全体の動きとは異なり、水出し(コールドブリュー)は着実に伸長していることが分かります。

それでは、最新の2025年の売上がどのようになっているか見てみましょう。

【図3】RDSスーパー全国 直近1年(2025年1月~2025年9月)POSデータ 水出し(コールドブリュー) 売上:100店当たり 金額(千円)、数量(個)

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やはり2025年も、売上金額・数量ともに前年を上回る結果となりました。

では次に、水出し(コールドブリュー)はどの時期に売上が伸びるのか、直近3年間の売上金額から確認してみましょう。

【図4】RDSスーパー全国 3年間年次(2025年のみ1月~9月)POSデータ 水出し(コールドブリュー) 年次売上:100店当たり 金額(千円)

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どの年も、7月 → 8月 → 6月の順に売上の山が形成されています。
たとえば6月については、2025年が最も大きな売上を記録しました。

この背景には、気温の影響があると考えられます。東京では真夏日(最高気温30℃以上)の日数が、1894年・1979年の10日間を上回り、過去最多となる14日間を記録しました。
暑い日が多いことで、水出し(コールドブリュー)の需要が高まり、売上増につながった可能性がうかがえます。

続いて、先ほどの6月〜8月に絞り、カテゴリー別の売上動向を見ていきましょう。

【図5】RDSスーパー全国 (2025年6月~8月)POSデータ 水出し(コールドブリュー) 売上:100店当たり 金額(千円)、数量(個)

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好調なカテゴリーは、売上金額だけでなく売上数量においても前年比を上回っていることが分かります。

なお、「その他の茶類」における売上上位3商品は以下の通りです。

4902831512058 日東 水出しアイスティー アップルルイボスティー 10袋
4902831511761 日東 水出しアイスマスカットグリーンティー 10袋
4902203526041 リプトン 水出しグリーンティー ティーバッグ 10個

これらの結果から、特定の茶種に偏ることなく、さまざまな商品が売上に貢献していることがうかがえます。

また、話は変わりますが、筆者が用途的に近いと考える以下の2カテゴリーについても調査を行いました。
 • カルピス(濃縮タイプ) ※アサヒ飲料株式会社
 • 割るだけシリーズ ※サントリーホールディングス株式会社

【図6】RDSスーパー全国( 2025年6月~8月) 売上:100店当たり 金額(千円)、数量(個)
※カルピス:メーカーアサヒ飲料かつMD分類“濃縮乳酸飲料”よりカルピスと名前の付く商品をグルーピング、割るだけシリーズメーカーサントリーホールディングスかつMD分類“飲料”より割るだけと名前の付く商品をグルーピング

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【図】7 RDSスーパー全国( 2025年1月~8月) 売上:100店当たり  売上:100店当たり 金額(千円)
◆カルピス(濃縮タイプ)

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◆割るだけシリーズ

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両ブランドともに前年比を上回っており、売上推移も水出し(コールドブリュー)と同様に、夏に向けて伸長していることが分かります。
水や氷で割って飲むタイプの商品は、やはり気温が上昇する時期に消費者から支持を集める傾向があることが確認できました。

最後に6月~8月の水出し(コールドブリュー)ベスト10ランキングを見てみましょう。

【図8】RDSスーパー全国 (2025年6月~8月)POSデータ 水出し(コールドブリュー) 売上:100店当たり  売上:100店当たり 金額(千円)ランキング

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1品を除き、すべて前年越えとなっております。

RDSは、ご自身の視点に合わせて食品全体や日用品全体を自在にグルーピングできる市場データです。
ぜひトレンドに沿った独自の切り口を見つけ、新たなビジネスチャンスの発見につなげていただければ幸いです。


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