トレンドのアイコン

トレンド

vol.175『RDSに参加して「ハレの日対策」を!』

節分といえば、“鬼は外、福は内”の「豆まき」と「恵方巻」が定番ですね。では、節分は「豆」と「恵方巻」のツートップさえ押さえておけばよいのでしょうか。

もちろん、そうではありません。

節分関連の商品は他にも数多くあり、皆さんもよくご存じのことでしょう。しかし、対応すべきアイテムが多岐にわたるため、十分にケアしきれなかったり、売れていることに気づけなかったりするのが実情ではないでしょうか。

今回の「流通トピックス」では、「ハレの日レポート」を活用し、小売業のハレの日対策や、メーカー・卸による提案のヒントをご紹介したいと思います。

ハレの日レポート(2025年節分 SM近畿エリア)

下表【図1】は、2025年節分におけるスーパーマーケット近畿エリアの「ハレの日レポート」です。
このレポートでは、節分当日に売れた上位1000品について、1週間前からの順位推移をもとにハレの日由来品を特定し、それらが100店舗あたりでどれくらいの販売実績(数量ベース)となっているかを示しています。
※RDS市場データでは、日別データを標準で閲覧可能です。今回のレポートもこの日別データを活用して作成しています。以下の表は途中を省略していますが、実際には1000品のランキング表となっています。

trend175_1.png

【図1】

trend175_2.png

まずは分かりやすい事例として、全体ランキング4位に入った「でん六 福豆 45g」を取り上げ、本レポートの見方をご説明したいと思います。

本品は言うまでもなく、「節分豆」に分類される定番商品です。節分の1週間前時点では217位にとどまっていましたが、その後、日を追うごとに順位を上げ、節分当日には前週比213ランクアップの堂々たる第4位となりました。
また、2月2日(節分当日)とその前日2月1日の2日間で、100店舗あたり換算で4,160個という販売実績を記録しています。

このように、順位が大幅に上昇した商品ほど、ハレの日(この場合は節分)に強く関連していると考えられることから、本レポートではその視点に着目し、ハレの日由来商品の特定を行っています。

近畿トップの節分由来の商品は「伊藤ハム ロイヤルポールウインナー」?

では2025年節分由来商品のトップは何だったのでしょうか。答えは全体第3位の「伊藤ハム ロイヤルポールウインナー 290g」でした。
「ウインナーが節分由来品?」と疑問に思われる方も多いかもしれません。筆者も最初は「???」となりました。

この商品は、全国的にはあまり知られていないかもしれませんが、近畿地区限定で販売されている非常に人気のある商品です。実際、節分の1週間前の日曜日でも18位であることからも分かりますが、年間を通じて高い売上を誇っている商品です。

では、なぜこの商品が節分当日にさらに15位もランクアップして売れたのでしょうか?

そこで「節分 ロイヤルポールウインナー」とネット検索してみたところ、ロイヤルポールウインナーを芯に使った恵方巻レシピが多数ヒットしました。なるほど!確かにロイヤルポールウインナーは細長いので、恵方巻の芯にぴったり。「味変」として、また、魚が苦手な人には、この恵方巻がマッチするのかもしれません。節分当日にさらに売れたのは、「手作り恵方巻需要」によるものだったと考えられます。

実際に複数の小売業と会話する中で、この事実に気づいていた企業と、気づいていなかった企業があったことも分かりました。通年で売れている商品であるがゆえに、節分での「上振れ需要」に気づきにくいのかもしれません。ぜひ、節分期には売り損じのないよう発注量を調整し、欠品しないよう準備したいものです。

節分由来品として第3位となったのは、「山崎製パン ロールちゃん(ホイップクリーム)」でした。ハレの日属性では「デザート(恵方巻)」と分類しました。
「ロールちゃん」も節分専用商品ではなく、通年販売されているレギュラー商品です。しかし、恵方巻のようなロール状の形状が節分にぴったり合うことから、強力なプロモーションが展開されたことで近年大きく売上を伸ばしています。

なお、「ロールちゃん」はフレーバー違いで3つのSKUがあり、これらを合計すると、2日間で約5,000個(100店舗あたり換算)売れたことが分かっています。これも「節分マスト商品」の一つと言えるでしょう。

なお、小売業の皆さまにおかれましては、本レポートのデータに自社の売上実績を照らし合わせることで、対応できている「商品/属性」と、対応が不十分な「商品/属性」が明確に把握できます。
例えば、以下【図2】に示すのは、「節分サイドメニュー」として分類した商品の販売実績(100店舗あたり換算)です。

【図2】

trend175_3.png

サイドメニューの代表例としては、
①「永谷園 松茸の味お吸いもの」「はま吸い」(いずれも和ものハレの日には滅法強い)
②「インスタントみそ汁」(同じ理由と思われます)
③「茶わん蒸し」(恵方巻にもう一品という感じか?)
④「板かまぼこ」(これも和ものハレの日向け?)
などが挙げられます。
これらの商品は、いずれも節分の1週間前と比べて大きく順位を上げており、ハレの日需要によって売上が大きく伸びたことが分かります。実際、これらサイドメニュー関連商品だけで、2日間合計 約12,000個(100店舗あたり換算)が販売されました。
小売業の皆さまには、ぜひこのJANコードに基づいて、自社の実績を当てはめて比較してみてください。
たとえば、自社が50店舗を展開するチェーンであれば、期待される販売数量は2日間で約6,000個となります。ここで、「お吸いもの」は○でも、「茶わん蒸し」は×といった状況が、数字を通じて明確に把握できるはずです。

今年のお盆の注力カテゴリー(属性)は?

最後に、本年のお盆対策の参考として、【図3】昨年(2024年)のお盆の「ハレの日レポート」(一部)をご紹介いたします。
こちらも近畿エリアを対象としたレポートです。
近畿エリアでは、お盆期間の売上では2024年8月10日(土)が最も大きなピークとなり、続いて8月12日(月・祝)が2番目のピークとなりました。
このため、レポートでは8月10日~12日の3日間における販売数量(100店舗あたり換算)を集計しています。

【図3】

trend175_4.png

ご覧いただくとお分かりのように、特に目新しい商品が並んでいるわけではなく、いかにもお盆期間に売れそうな商品が上位にランクインしています。

これらを以下【図4】のハレの日属性に分類したところ、それぞれの販売数量は以下の通りとなります(単位:個、上位1000品のみ集計)。

【図4】

trend175_5.png

お盆に人が集まるタイミングに合わせて必要とされる商品が、上位を占めていることが分かります。
あくまで筆者の個人的な印象ではありますが、「熱中症対策」を意識した商品や、ハレの日にふさわしい「ハーゲンダッツ」などが、想像以上に大きなマーケットを形成していることを、改めて実感しました。
なお、表の下位2行に記載されている「お土産」カテゴリは、「明治 カール」や「パインパインアメ」といった、御当地感のある商品が該当しています。

ハレの日レポートご希望の方へ

小売業様:是非RDSへご参加ください。参加費用は無償です。POSデータを日々連携していただくことで、RDSへ参加いただけます。下記URLをご参照ください。
https://www.mdingon.com/services/new_rds/

卸様、メーカー様:RDSサプライヤーポータルをご契約ください。下記URLをご参照ください。
https://www.mdingon.com/products/market_pos/

市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
※さらに詳しい資料・細分類でのランキングデータをご希望の方はこちらから
↓↓↓

サンプルデータ申込み


お問い合わせ

    • ご購入前のお問い合わせ   :
    • 03-6908-7878
    • 保守契約に基づくお問い合わせ:
    • 03-6908-7817

受付時間 9:00-18:00
(土日祝日・年末年始・当社休日を除く)

ページトップへ