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コラム・レポート

vol.4-2 サブカテゴリー単位の品揃えの落としこみ方(後編)

みなさん、こんにちは。
今回は「気づき」が見えた後の検討方法について説明してみたいと思います。

1.SKU数

端的に言って各サブカテゴリーに含むSKU数を増やすべきか減らすべきかを考えることです。一見売りを伸ばすためにはSKU数は増やせばよいと思いがちですが、それは以前にも申し上げたとおりメーカーさん側の発想です。実際には増やす事だけが売りを伸ばす手法ではありません。減らす事でも売りを取ることは出来るのです。

SKU数を増やすべきサブカテとは、例えば需要が伸びている、または伸びが期待できる、あるいは新機軸のサブカテであり、お客様のニーズが掴み辛く売場にアンテナを張り巡らせる必要があるサブカテなどです。

反対に減らす事で売上の伸びや維持が期待できるサブカテは、需要が停滞していて、ブームが一段落し、ある程度商品ごとに勝負が見えてしまったサブカテです。ここはSKU数を絞り込む事によって、売りたい商品を明確にしてフェーシングをしっかり取り、絶対に品切れをさせないようにする事によって、チャンスロスの発生はおろか、生き残った商品に販促を仕掛ける事によって売りを維持できるようになるのです。

残念ながら御社の商品が生き残れなかった場合でも、ここは勇気を持って絞込みを提案しましょう。以前も申し上げましたが、カテゴリー全体が成長し売りや荒利を確保できてこそバイヤーは評価され、店舗は喜ぶのです。サブカテゴリー毎の売りの積み上げがカテゴリーの売上ですから、この絞り込む事が必要なサブカテでは、正当に商品毎の実力を判断しましょう。

2.スペース配分

スペース配分は、上記のSKU数を増やすのか減らすのかによっても左右されますが、基本的には市場規模や販売点数の大小で決定していくべきです。

売上が鈍化しSKUも絞ったサブカテだが、そもそも市場規模が大きければ、スペースを極端に削減した場合に必要な陳列在庫量を確保できずに品切れを起こす、または店内の作業効率が下がるといった現象を引き起こします。

反対にSKUを増やしたカテゴリーでも、現時点では市場規模があまり大きくないサブカテだったら、前期と比較して若干スペース配分を増やす程度でよいでしょう。

ですから、SKU数と市場規模(または販売点数)のバランスでスペースの増減を考慮します。

スペース配分でもう一つ考慮したいのは、どこにそのサブカテを配置するかという場所です。
有利な位置はどこなのか、ゴールデンゾーンに当たる場所はどこなのか、ISM(インストアマーチャンダイジング)の理論などを参考にしながら考えましょう。

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例えば、売れるサブカテ(商品)には有利にフェーシングを確保できる場所を提供し、儲かるサブカテ(商品)には有利な位置を提供するというのが基本です。

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またゴールデンゾーンというのは、女性の平均身長の目線から少し下がった位置と考えます。(※今だったら159cmぐらいでしょうか)

3.価格構成

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価格構成については先にも記載しましたが、カテゴリー全体で調整する視点も必要なのでここでは深く追求しませんが、一般的には右記のように、2山作るのが品揃えの豊富さを演出するためには良いとされています。ポイントは、「オープニングプライス」をどこに持っていくか、「プライスポイント」をどこにするか、といったことで売場全体の価格イメージがつき易いといわれています。

4.販促手段

販促手段についてもカテゴリーの役割や戦略によってさまざまなので、ここで言及するのはむしろ避けるべきかと思います。

現在の潮流としては、販促は「ハイ&ロー」と「EDLP(エブリデーロープライス)」の2つが主流となっています。それぞれカテゴリーの特性や小売の業態によって使い分ける事が大切です。

メーカーさんが販促について小売に提案する時も、相手がどのような業態を目指しているか、また客層の対象はどのあたりなのかを見極めながら提案すべきではないかと思います。

小売の業態はイコール、コスト構造の違いでもあります。利は元にあり。利益の源泉は定番売場での買い上げ率をどこまで高められるかという事につながりますので、相手先が催事スペースやエンドと、定番コーナーをどのように使い分けているかを良く考えて、販促を提案する事が大切かと思います。

最後に、もう一つ覚えておいていただきたい言葉として品揃えの「幅」と「奥行き」という言葉があります。定義は非常に難しいのですが(説明する人によっても違うし、商品特性によっても違ったりするので)、これは最終的に品揃えが決まった段階で今一度検証する時に考えてみたい視点です。

例えば、あるカテゴリーの中で銘柄やブランドをどの程度品揃えするか、それが品揃えの「幅」であり、それぞれの商品でサイズや用途のバリエーション、価格帯のバリエーションをどこまで品揃えに包含するか、これが「奥行き」になります。

店舗や業態の位置づけによって、小商圏高占拠率を狙っているのか、はたまた広域商圏を持つ店舗なのかによって、「幅」と「奥行き」のバランスは変えていかなくてはなりません。

例えば小商圏高占拠率型の店舗では、毎日あるいは週に4回ぐらいは同じお客様に買い物に来ていただかなくてはなりませんが、同じお客様に飽きられない店舗にするためには、また同じお客様なら所得が毎日変わるわけではありませんから、「幅」重視の品揃えのほうが向いていると思います。

反対に広域商圏方店舗では、さまざまな所得やライフスタイルをもつお客様を相手にしなくてはなりませんから、「奥行き」を重視した品揃えを考えなくてはなりません。

このように同じカテゴリーの商品構成を提案するにも、単にモデルパターンだけの金太郎飴的な提案をするのではなくて、色々な要素を考慮しながらバリエーションを持たせて提案してみてはいかがでしょうか。

今回はこの辺で終わりとします。
次回また・・・・・・。

2005年12月19日 11:15

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