vol.135 『献立悩みいらず！？最近の冷食事情』

昨年一昨年と続いている巣ごもりをきっかけに、家庭での夕飯作りや日々の献立に困っているという方も多いのではないでしょうか。そんな消費者の悩みを解決する手段として、今、冷凍食品が注目されております。その注目度の高さから日本経済新聞社発行の日経MJ「2021年ヒット商品番付」にも「冷食エコノミー」というキーワードがノミネートされました。
では注目度だけでなく、冷凍食品の売上は実際に大きくなっているのか、ＲＤＳ市場データの売上実績で見ていきましょう。
まずはJICFS分類「冷凍食品（氷、その他冷凍食品除く）」、RDSスーパー全国の３年間の売上推移を見ていきます。

【図１】RDSスーパー全国　年間売上金額（百万円）：100店当たり

2021年を基準に見ると、前年比約101％、2019年比となると、約110％と非常に大きな伸長率となっております。いかにこの巣ごもり生活の中で、冷凍食品が拡張してきたかが分かる結果となりました。
では冷凍食品の中で、特に伸長したカテゴリーは何か細分類で見ていきましょう。

【図2　冷凍食品細分類年間売上金額（千円）】：100店当たり

【図3 冷凍食品細分類年間売上伸び率】

売上伸び率：2019年の売上金額を100としたときに、2020年売上金額、2021年売上金額の伸び率を比較したグラフです。3年連続で売上が伸長しているカテゴリーは「冷凍調理」「冷凍麺」「冷凍畜産素材」です。その中でもおかずなどを含む「冷凍調理」はもともとのボリュームが大きいにも関わらず、さらに売上が伸長し続けていることがわかります。巣ごもり生活の中、いかに日々の食事に活用されてきたかがよくわかる結果となっております。
では冷凍調理にはどんな商品が含まれているか、ランキングで見ていきましょう。

【図4　冷凍食品細分類売上金額（円）2021年 年間ランキングベスト50】：100店当たり
※カテゴリーはJICFS分類「冷凍調理」の中で、筆者が商品名より区分けしたものです。

からあげ6アイテム、ギョーザ5アイテム、シュウマイ4アイテム、コロッケ4アイテム、ハンバーグ３アイテム等々、多種多様な商品がこの冷凍調理の中に含まれております。日々の献立への活用よろしく様々なバリエーションの商品が選ばれていることがわかります。改めて次は、その中でもアイテム数の多い上位５カテゴリー（からあげ、ギョーザ、シュウマイ、コロッケ、ハンバーグ）の売上実績を見ていきましょう。

【図5　冷凍食品My属性5カテゴリー年間売上金額（千円）】：100店当たり

【図6 冷凍食品My属性5カテゴリー年次売上伸び率】

＊分析条件…JICFS分類（冷凍調理）を使用し、下記名称でMｙ属性を設定
ギョーザ…商品名に「ギョーザ」「ぎょうざ」「餃子」を含む商品
シュウマイ・・・商品名に「シュウマイ」「シューマイ」「焼売」を含む商品
からあげ…商品名に「からあげ」「唐揚げ」「から揚げ」を含む商品
コロッケ・・・商品名に「コロッケ」を含む商品
ハンバーグ・・・商品名に「ハンバーグ」を含む商品

ギョーザ、シュウマイは3年連続で伸長しており、特に支持を集めていることがわかります。
その中でもボリュームの大きなギョーザは手間もかかるため、冷凍食品を購入する頻度が多くになるにつれ、伸長していったことが予想されます。また昨年夏に話題を呼んだ大型商品も一因といえるでしょう。

（参考）冷凍餃子の夏時期の売上状況については、2021年9月27日の記事(vol.128 『オリンピック選手村グルメ、金メダルと評判の餃子！果たしてその反響は？』)、ぜひともご参照ください。

それでは改めて、ボリュームも大きく３年連続伸長している冷凍ギョーザのランキングを見てみましょう。

【図7　冷凍ギョーザ売上金額（円）年間ランキングベスト50】：100店当たり

50品中前年越え：25品、前年比なし：11品となりました。特定の単品ではなく、多くの新商品が発売され、カテゴリーの底上げが図られたということでしょうか。

さらに、2020年1月以降JICFS商品情報に登録のあった商品と、2019年以前に登録のあった商品で区分けし、売上金額とアイテム数の推移を年間売上金額で見てみました。

【図8　冷凍ギョーザ年間売上金額（千円）及びアイテム数推移】：100店当たり

やはり非常に多くの新商品がこの１年間で発売し、その結果売上伸長しているということがわかりました。

このようにいろいろと調査をしてまいりましたが、なんといっても冷凍調理（おかず）は忙しい皆様の強い味方です。手間を減らして、満足度アップ。効率的においしい食事が提供できる冷凍食品は今後も活躍していくと思われます。様々な冷凍食品を組み合わせ、今後も日々のおいしい食事を楽しんでいきたいものですね。