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vol.187『2026年秋冬の棚割におけるPB・NB活用戦略〜主要50カテゴリーの分析から導く5グループ別のPB対策と課題〜』

・PBの現状:金額ベースで前年比約106%と堅調。特に300円以上の価格帯が全体の伸びを牽引している。
・5つのグループ分類:主要50カテゴリーの売上とPB・NBの力関係から、現在の売場動向を5つの型に整理。
・個別カテゴリーの検証:値上げを容認された「コーヒー」と、PBの展開余地が残る「粉(乾物)」の2つから具体策を考える。

季節は梅雨真っただ中ですが、小売業では秋冬の棚割り業務の真っ最中ではないでしょうか。
原料価格の高騰によりありとあらゆる商品の値上げが続く中、プライベートブランド(以下PB、ナショナルブランドはNBという。)はその経済性だけでなく、その高付加価値面にも期待を集めており、棚割りを検討する上でPBの役割、存在感はますます大きくなっています。
本レポートではそのPBにフォーカスし、各カテゴリーをPB/NB軸で分類し、棚割におけるPB活用の傾向と対策についてまとめたいと思います。

PBは伸び堅調、PB合計比率は約10%に
まずは、食品におけるPBの全体傾向を確認しておきたいと思います。(前提として、本レポートではお米、生鮮品、惣菜、ギフトを除外する。)
PB商品は直近の1年で、概ね全体の1割(PB比率は金額ベースで9.6%、数量ベースで10.0%)を占めており、金額前年比は約106%、数量でも約103%と堅調な伸びを示しています。NBがほぼ金額で前年並み、数量においては97%と前年割れであることを踏まえると、PBの売場における重要性がますます高まっていると言うことができます。
さらに、価格帯別に見てみると中心価格帯の100円台、200円台の伸びは弱い中で、300円以上の伸び率が高いことを示しており、中でも500円以上が極めて高いことが分かります。
PBが高付加価値商品にシフトしているとみることも可能と思われます。
【表1】
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PB・NBの貢献度から5グループに分類
続いて、RDS-POS独自分類であるMD分類の小分類全112分類をNBとPBに分解し、さらに分析を進めて参ります。
それぞれの貢献度により5つのグループに分類し、以下のように名付けてみました。(グループの仕分け定義は以下の通り。それぞれ金額ベースで対前年超えを↗、前年割れを↘で表した。)
【表2】
trend187_2.png ①PB()もNB()も前年超えで結果的にカテゴリー計()も前年超えを【カテゴリー成長・共存型】としました。「コーヒー(嗜好飲料)」や「ココア・麦芽(嗜好飲料)」のPBは、カテゴリー値上げ率が20%以上という急激な値上がりの中、NBとともに大きく前年比を伸ばしていることが伺えます。ここには全体の4割に当たる46カテゴリーが入りました。
なお、本グループの上位10分類(下表)はPB比率全体平均9.6%をすべて下回っていることから、比較的にPB比率の小さかったカテゴリーでPB商品が活性化した成功事例と捉えることもできます。(※以下、各グループPB前年比上位10分類に絞って掲載)。
【表3】
trend187_3.png ②続いての【NB離れ・PB代替型】は、NB()が前年割れも、PB()が伸ばすことで、カテゴリー計()が前年を上回ったグループです。PBのおかげでマーケットを押し上げたカテゴリーと言えます。
ここには、米騒動の中、前年比を130%と大きく伸ばした「食パン」や、比較的にPB比率高い分類が多く、中でも「豆菓子」は構成比が30%を超えてもなお大きく伸びています。(「豆菓子」のトレンドレポートはこちらもご参照ください)
NBが不調の中、マーケットをけん引した救世主と捉えることもできるでしょう。
【表4】
trend187_4.png ③は【NB優位型】としました。カテゴリー計()の前年越えがNB()の貢献によるものでした。価格高騰の中でもPB()が前年割れをしているグループで、各カテゴリーにおけるPBの占める構成比も概ね低く、PBの存在感が示せていないところと言えるかもしれません。値上げの続く中でもNBがマーケットをけん引する比較的NB優位なカテゴリーと言うことができます。
①の【カテゴリー成長・共存型】同様、PB比率は比較的小さいですが、①とは対照的にPBの存在感が出せていないようです。主にPB共有側の努力が求められる分野ではないでしょうか。
【表5】
trend187_5.png ④次のグループは、【PB展開不足型】と名付けてみました。PB()は健闘しているのですが、NB()のマイナスをカバーしきれずカテゴリー全体()が前年割れとなったカテゴリーのグループです。PBが前年割れすると、一気に⑤の需要衰退型に落ち込むリスクがあります。ある意味、店頭におけるPBの活用が売り場の活性化を左右するとも言えます。本市場データにおけるPB比率を踏まえ、足りないカテゴリーがあれば、店舗側が一歩踏み込んだPB展開をしていただきたいところです。
【表6】
trend187_6.png 最後の⑤【需要衰退型】は、PB()、NB()ともに前年を割ったカテゴリーです。前年割れの理由は様々だと思いますが、各カテゴリーの値上げ率が比較的落ち着いた数値だったことから、PB優位性を発揮できなかったということもあるかもしれません。なお、④と同様、PB比率は概ね全体平均の10%を超えています。つまり、これらカテゴリーの④との違いはPBが活躍していたか否か、と取ることもできます。NBが縮小する中、PB供給側と店舗側双方の努力による巻き返しを期待したいところです。
【表7】
trend187_7.png ここまでの集計結果を踏まえ、2つのカテゴリーを取り上げて、さらに深堀りして分析を進めたいと思います。

ピックアップカテゴリー(1):コーヒー(嗜好飲料)
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まずは、【カテゴリー成長・共存型】グループから、「コーヒー(嗜好飲料)」を取り上げました。

いわゆる「インスタントコーヒー(溶かして飲むタイプ)」、「レギュラーコーヒー(豆、粉、ドリップタイプ含む)」、「ミックスインスタントコーヒー(スティックポーションタイプ)」の3つのタイプに分かれます。産地の気候変動による供給不足、物流コストの上昇、円安、世界的なコーヒー需要の拡大などが影響し本カテゴリー全体で22%の値上げ率となっていて、「ココア・麦芽」(同29%上昇)、「パックご飯」(同25%上昇)に次ぐ3番目の価格上昇率でした。

下表は、「コーヒー」をサブカテゴリーと価格帯に分けて集計したものです。

PB、NBいずれも高価格帯の前年比が高く、全体的に高価格帯へシフト(値上げ)したことが分かります。同様に大きく値上げした「チョコレート」が数量的には苦戦している一方で、「コーヒー」は値上げ率が+22%でも、金額前年比約120%と、あまり数量を落としませんでした。消費者にある程度値上げが受け入れられているようです。

PBの主力は「レギュラーコーヒー」ですが、NBに比べて値上げ率を抑えて、大きく躍進しています。

また、「インスタントコーヒー」のPBも、「ミックスインスタントコーヒー」のPBも前年比は高いですが、PB比率を見ると「レギュラーコーヒー」ほどの存在感が持てていません。現在NBの独壇場となっていますが、PBにとって大きな可能性のあるところではないでしょうか。

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ピックアップカテゴリー(2):粉(乾物)

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もう一つは、【PB展開不足型】から「粉(乾物)」を取り上げたいと思います。PB比率18%、前年比は約108%と、既にカテゴリーにおける存在感もあれば、前年比でも健闘しているにも関わらず、あと一歩貢献度が及ばず、カテゴリー計ではわずかだが前年割れとなりました。

本カテゴリーの主要な原料となる小麦粉はロシアのウクライナ侵攻⇒円安⇒中東リスク&円安のさらなる進行により、値上がりが続く状況です。極端な値上げは収まったものの、直近の1年間では約3%の値上げ率となったこともあってか、カテゴリー全体の需要が弱含みの状況でした。

各サブカテゴリー別に集計したところ、加工度合いの小さいカテゴリーと、そうでないカテゴリーで差が出ているようです。もちろん、そこはNBならではの強みなのだろうと思いますが、PB目線で見た場合は、明らかな弱みに見えるのも事実でしょう。

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「お好み焼き粉・たこ焼き粉」のPB比率は、食品平均の9.6%と同程度です。PBアイテム数も多く前年比も伸ばしていますが、前年比105%にとどまりました。店舗側での取り組み(棚割への組み込み)が、もうひと押し欲しかったところではないでしょうか。

「天ぷら粉」「唐揚げ粉・フライミックス」は圧倒的にPB比率が低いです。PB商品数も少ないので、供給側の展開不足ではないでしょうか。加工度高めと思われますが、もともと「粉」はPB比率も高いカテゴリーです。比較的組みしやすいカテゴリーだと思いますので、是非とも積極的な開発を期待したいところです。

RDS-POSでは、売場起点のカテゴリー細分化、PB vs. NB分析、価格帯分析など、自由に組み合わせての分析が可能です。是非ご検討いただけたら幸いです。


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