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vol.181『韓流ブームの歴史をRDS市場データで振り返りましょう』

近年、K-POPや韓流ドラマなどの韓国カルチャーが、私たちの日常により一層浸透してきました。2020年の「新語・流行語大賞」では「第4次韓流ブーム」がノミネートされるなど、日本国内で韓流文化が広く受け入れられていることがうかがえます。
こうした動きはエンタメ業界に限った話ではありません。食品業界でも韓流ブームの影響が大きく表れてきました。
本コラムでは、RDS市場データを用いて、韓国関連商材がこの30年間でどのように伸長してきたのか、その歴史をひもといていきます。

【図1】

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(RDS市場データスーパー全国30年POS・期間:1995年~2024年・金額:100店舗あたり 単位:千円)

図1は、スーパーマーケット業態における1995年から2024年までの30年間の韓国商材の金額推移を示しています。
(JICFS分類の食品カテゴリー全体から、バーコード頭「880」で始まる商品を韓国商材として集計)
また、市場の動きをより分かりやすく捉えるため、ネット上の各種情報を参考に、第1次〜第4次韓流ブームの年代を色分けして表示しています。
加えて、下記【図2】では、各ブーム期の主な出来事やトレンドを一覧で整理しました。図1の推移と照らし合わせながらご覧いただくことで、韓流ブームと国内食品市場の関係性をより立体的に理解いただけるのではないでしょうか。

【図2】

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次に1次ブームから約20年経ち4次ブームの現在で実際にどんな韓国商材が売れたのか単品のランキング上位20位を見てみましょう。

【図3】
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(RDS市場データスーパー全国30年POS・期間:2002年~2004年、2020年~2024年・金額:100店舗あたり・単位:円)

1次ブームと2次ブームのランキングを比較すると、1次ブーム期は韓国焼酎やキムチといった限られたカテゴリーのSKUが大半を占めていました。
一方、4次ブーム期になると、より多様なカテゴリーの韓国商材が上位にランクインしており、ブームの裾野が広がっていることがうかがえます。

また、視覚的に比較しやすくするため、【図4】では【図3】のランキングに色分けを施しました。
韓国焼酎などのアルコール類を黄色、キムチなどの漬物類を赤色で表示し、カテゴリー構成の変化が一目で理解できるよう工夫しています。

【図3】
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【図4】からも分かる通り、4次ブーム期は1次ブーム期と比べて、アルコール類漬物類が上位20位に占めるSKU数が減少し、より多様なカテゴリーの商品がランクインしています。
この点からも、日本のスーパーマーケット市場では、韓国商材に対するニーズが幅広いカテゴリーで本格的に高まっていることが読み取れます。
さらに、過去最大の伸長を見せている4次ブームの特徴を詳しく捉えるため、図5では 金額実績とSKU数の相関 を可視化しました。
第4次ブームが始まった2020年と2024年を比較すると、SKU数は3倍以上に増加しており、商品の多様化と市場の拡大が顕著に進んでいることが確認できます。

【図5】

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(RDS市場データスーパー全国・期間:2020年~2024年・金額:100店舗あたり・単位:円、SKU)

【図6】で主要カテゴリーの実績を確認すると、即席麺などの「麺類」は年々増加傾向にあり、さらに「冷凍食品」は急激な伸長を示しています。
新型コロナウイルスの流行当時は、旅行や外食が制限されるなかで、自宅で本場の味を楽しめる袋麺や冷凍食品への需要が高まり、継続的な成長につながったと考えられます。

【図6】

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【図7】では、各カテゴリーのSKU数推移をグラフで示しています。「袋麺」や「冷凍食品」は、【図6】で示した金額実績と同様に、SKU数も年々増加しています。
金額とSKU数のいずれもが右肩上がりで推移していることから、韓国商材を定番商品として取り扱うスーパーマーケットが増えていると考えられます。

【図7】

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第4次ブームが始まった2020年当初は、新型コロナウイルスの影響で外食や旅行が制限され、“家庭で本格的な韓国料理を楽しみたい”というニーズが高まったことが伸長要因として想像しやすいのではないでしょうか。
では、コロナ収束後の現在においても、韓国商材が引き続き好調に推移しているのはなぜでしょうか。
要因は複数考えられますが、その大きな要因のひとつとして「物価高騰」が挙げられると考えられます。
【図8】では、家計調査をもとに「内食」「外食」「海外旅行」の3項目について、コロナ前後の推移を比較しています。
各項目の構成比を見ると、2024年の「外食」「海外旅行」は、いずれもコロナ前の2019年の水準まで回復していません。
物価高騰により、外食や海外旅行のハードルが依然として高い状況が続いているため、“本場の味を家庭で気軽に楽しみたい”というニーズが現在も継続していると推察できます。

【図8】

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(RDS家計調査Quick・エリア:全国平均・期間:2018年~2024年)

ここまでの分析から見えてくるのは、韓国商材に限らず、『“家でちょっとした非日常を楽しめる商品』が、いまの売場づくりのカギになっているということです。
外食の代替になるメニューや、家庭で“旅行気分”を味わえる商品は、これからのスーパーマーケットにとって大きなチャンスと言えるでしょう。
RDS市場データなら、海外商材から地域のご当地品まで、次のヒットの“芽”をいち早くキャッチできます。販促や品揃えの検討の際には、ぜひRDS市場データをご活用いただき、売場の新しい可能性を広げてみてください。


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