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vol.170『酒税変更から1年 スーパードライ178円、金麦158円だったらどちらを買いますか?』

 酒税変更での駆け込み需要が生じた1年前(2023年9月末)には、【新ジャンル】ケース売りがキャスター付きであったり、何のケースかわからないくらいカレーのルーがたくさんベタ付きされていたりするなどの激し目の販促が目立ちました。
 あれから1年経ち、2年後2026年10月には段階的税率変更のラスト3回目が実施されます。

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出典:財務省酒税に関する資料酒税改正(平成29年度改正)について

図1:『ビール類』段階的税率変更の概要

■直近1年間の『ビール類』カテゴリーの変化
 2回目の酒税変更で【ビール】の伸び、【新ジャンル】の落ち幅はどの程度だったでしょうか?

表1:『ビール類』の数量及び金額の前年比&構成比
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追い風だった【ビール】は数量前年比113.1%と2ケタの伸長でした。
一方、逆風だった【新ジャンル】は同81.3%と大幅減となりました。

■各カテゴリーの酒税変更前後の状況

下記は、酒税変更前後『ビール類』4カテゴリーのシェア推移です。
トップの座が【新ジャンル】から【ビール】に代わりました。

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■価格差は?
 酒税変更により、【ビール】と【新ジャンル】の価格には縮小方向に進みます。
それぞれのトップシェアの350ml缶商品で価格差について検証してみます。
【ビール】代表はスーパードライ缶350ml、【新ジャンル】代表は金麦缶350ml です。

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 1回目の酒税変更前までは約80円だった差が、変更後には約60円に縮まりました。
そして昨年2回目の酒税変更で40円差にまで縮まりました。
2年後のラスト3回目では、変更額が2回目とほぼ同じなので売価は20円差まで縮まると予想されます。

■【新ジャンル】はこの流れで消滅してしまうのでしょうか?
 2026年10月以降の2商品想定売価は下記になるであろうと予想されます。
 ・スーパードライ缶350ml:178円
 ・金麦缶350ml     :158円
この価格差であれば大多数の方がスーパードライを手に取るのではないでしょうか?
最大の強みである価格優位性が無くなるとなると【新ジャンル】に危機が訪れます。

では、逆風続きの【新ジャンル】は生き残れないかという観点から深掘りしてみます。

【新ジャンル】の強みは麦芽量(糖質量)が【ビール】に比べ少ないことです。
 その強みを活かした策があると思い、糖質に着目し、【新ジャンル】のカテゴリーを、
   1.糖質ゼロ 2糖質オフ 3その他新ジャンル に分けMy属性機能を使い分析しました。

表2:【新ジャンル】糖質別属性の金額前年比及び金額構成比
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 全体では前年比88.6%と厳しいものの、「糖質OFF」商品は前年比101.2%と逆風の中、健闘していると言えます。
 今後【新ジャンル】は、上記2で「その他」に属する金麦、本麒麟、のどごし等の主要ブランドが徐々に減少していくと思われます。しかし金麦糖質75%OFFをはじめとする「糖質OFF」の商品は、新ジャンル内の構成比を高めていくと思われます。よって「糖質OFF」商品を軸に【新ジャンル】は生き残るのではないでしょうか?
 「糖質OFF」商品を購入したことがありませんので、今回を機に味を確認してみようと思います。


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