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vol.169『小麦、卵に次ぐ米の高騰』

 日本では米を1人当たり年間50㎏を消費すると言われ、ご飯茶碗換算で1日2杯分になります。
米は我々の食生活の基盤中の基盤であるゆえに不足の事態で大騒ぎしたのは記憶に新しいと思います。
 一番値上げを感じたのは、ゴルフ場でご飯お替りが¥0→¥200になっていた事でした。せめて100円で!と思いましたが、それほどまでに仕入値が高騰したと察しました。

■米の価格上昇
 新米が出始めましたが、今年は米不足もあったので例年以上に新米を心待ちにしていた事と思います。
 去年は新米のシールが貼ってあるもの、貼ってないものが混在していましたが、今年は米不足によるいわば在庫一掃セールがあったため、現在確認している限りでは全てに「新米シール」がついています。
米は食糧の中でも必需品なので、買わざるを得ない商品でもあると思います。
 売場で価格に驚いた方も多かったのではと思いますが、価格を振り返ります。

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図1:普通米:サイズ別の平均売価推移データ:RDSスーパー全国

 【5㎏】及び【5㎏超】サイズは6月に入りやや上向きに、7月から一気に上昇傾向になりました。
そして直近週(9/23~9/29)では【5㎏】では3,000円、【5㎏超】では5,000円の上限値を目安に値動きが落ち着いてきたように見えます。

■米のサイズのエリア差
 【5㎏超】では1,000円以上も上がっていて、埼玉のリージョナルチェーンでは10㎏が1SKUのみの品揃えで6,898円で販売されてました。(10/3時点)
 首都圏では【5㎏超】(≒10㎏)の品揃えは珍しいですが、全国的にはどうでしょうか?

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図2:エリア別の普通米サイズシェア(数量ベース:2023年)データ:RDSスーパー全国

どのエリアもメインは【5㎏】でありますが、東北、東海北陸など米どころでは【5㎏超】が20%を超えています。

■【5㎏】の価格帯シェアの変化
 図1では【5㎏】が2,000円弱から3,000円弱に約1,000円値上がりしたことが確認されました。
下記は500円刻みの価格帯シェアの昨年との比較です。

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※2023年>:2023年9月18日~2週間  2024年:2024年9月16日~2週間

2023年は1000円台が83%と圧倒的でしたが、2024年には2,500円~が46.6%と中心価格帯になり、価格帯が少なくとも2段階(500円×2)上昇したことが確認されました。

 今年偶然にも知人の田植えを手伝う機会があり、水田に撒く肥料がここ5年で3倍になったと聞きました。たいして役に立たなかったのですが先日御礼として新米をいただきました。そんなこともあり、今回の価格急騰は生産者の窮状を救うものとして、寛容に受け止めています。
 農政通の総理になりましたので、米を筆頭とした食糧自給率を戦略的に高める政策に期待したいと思います。自給率を高めることで、輸入による為替影響や争奪戦などが避けられ、広い意味で安全保障の一環になるとも思います。
 米は主食でありながら、様々な食品の原料にもなっているので今後は、パックご飯、米菓、日本酒、こめ油などの値上げ、コンビニ弁当の底上げ度合いUP、ラーメン屋でライス無料サービスの廃止など影響は少なくはありません。食べ過ぎな方は、腹八分では値上げ分を吸収できませんので、腹六分にして健康もコストも維持していきましょう。


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