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vol.166『皆さんのカテゴリーの新商品売上比率はどのくらいでしょうか?』
■2023年10月の税率変更以降の動き
減税の恩恵を受けた「ビール」は前年比109.3%と好調な一方で、増税の「新ジャンル」は前年比88.2%と大きく数字を落としました。「ビール」にとっては、発泡酒や新ジャンルの出現以降、コロナ禍もあり苦しい長いトンネルが続いていましたが、ようやく春到来といった感じでしょうか?
表1:ビール類5カテゴリーの実績(2023/10~2024/06)
※使用データ:RDSスーパー全国:100店舗当たりの金額
また、「プレミアム/クラフトビール」の金額シェアは全国が7.5%に対し、首都圏では10.3%とついに2ケタに達しました。
■新商品に属性を付与し分析可能に!
「ビール」減税前後に発売された商品には、サントリー生ビール、アサヒ生ビールマルエフ、アサヒスーパードライ生ジョッキ缶、キリン晴れ風などがあり、それぞれ大型プロモーションを仕掛けています。
減税という追い風もあり各社「ビール」に軸足を移した感があります。
このたびRDSでは、【新商品】に属性を付与し分析できるようになりました。
例えば、〇〇カテゴリーでは既存品シェア:80%、新商品シェア:20%などの分析が可能です。
新商品の売上比率は、新商品寄与率などともいわれます。
KPIを「新商品寄与率10%」と定める会社もあり経営指標の1つとなっている事もあります。
今回はこの【新商品】属性機能を使いビール類カテゴリーで分析してみました。
図1:各カテゴリー内 新商品シェア及びSKU(2024/1~6)
表2:各カテゴリー内 新商品シェア及びSKU(2024/1~6)
図1は各カテゴリー内の、新商品シェア及びSKUになります。
例えば「ビール」の場合、新商品で約10%を占めた事になります。
「プレミアム/クラフトビール」では、シェア18.9%に達し、新商品89SKUと驚異的です。
特に「クラフトビール」は、減税以降「クラフトビールコーナー」を作って大々的に展開している店が増えていますので、このデータとリンクします。
表2に記載しておりますように、2026年に最後の酒税変更がありますので、「ビール」「プレミアム/クラフト」には追い風が吹き続けます。
■分析事例:麺類
麺類の4つのカテゴリーで分析してみました。
表3:カテゴリー内 新商品シェア及びSKU(2024/1~6)
カテゴリーによって新商品シェアやSKUに大きな違いがあることが確認できました。
絶対的No1商品:揖保乃糸に代表される「乾麺」では、新商品シェアが1.1%と比較的小さいです。
揖保乃糸〇〇味などのSKU追加はなく、定番の顔ぶれはほぼ変わらない印象です。
一方、カップヌードルに代表される「即席麺カップ」では新商品シェア14.5%と大きく、新商品SKUは何と524と改廃の激しさを表しています。確かに、この前美味しかったカップ麺をリピートしたい時に無いという場合が多いですね。
「即席麺カップ」のように新商品シェアが大きいとカテゴリー実績に影響を与えるので、積極的に新商品を投入して売りを作る事がキーになってくると思います。
最近、飲料(ソフトドリンク)とアルコール(RTD)の新商品コーナーを見つけました。
新商品は、消費者にとっては真新しく選ぶ楽しさがあり、小売りにとっては値崩れもしていないので売上/利益面でも都合がよく、メーカー・卸にとっても新商品販売目標・工場稼働率もあることからハッピーで、お金をかけずに「三方よし」が実現できる素敵なコーナーだなと思いました。新商品をまとめてコーナー化できないようなカテゴリーでは、定番で「新商品POP」をつけるだけでも売上は変わると思います。
今回を機に、皆さんのカテゴリーや、ご興味のあるカテゴリー、参入を考えているカテゴリーの新商品売上比率を分析され、対策を立てられてみてはいかがでしょうか?
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