
トレンド
vol.165『異次元な商品の登場』
■「ビール類」に次ぐカテゴリー
「RTD」は2020年に酒類カテゴリーの中で「焼酎」を抜き、No2カテゴリーになりました。
直近では、全国では102.8%と前年を超えているものの、首都圏では前年割れとなってます。
「RTD」とは缶チューハイや缶カクテル、缶ハイボールをはじめと低アルコール飲料の事です。
表1:酒類カテゴリー2024年1~5月累計実績(金額)
※使用データ:RDSスーパー全国:100店舗当たりの金額
首都圏でのRTDの直近5月の売れ筋を見てみましょう。
表2:RTD売上ランキング(金額):2024年5月
いわゆる果実系商品はどの商品も350ml:100円、500ml:150円を下限価格として、熾烈な価格競争をしていることが売価(平均売価)から読み取れます。
一方で、色付けした角ハイボール商品(サントリー社)は、果実系商品とは一線を画し単価も約1.6倍で、前年比も軒並み好調です。
■6月に現れたオバケ商品
6月10日を過ぎて、RTDカテゴリーに異次元とも思える3商品が出現しました。
ピンと来た方は、トレンドを捕らえるアンテナ精度が高い方か、アルコール好きな方だと思います。
毎日「新商品ランキング」を更新していますが、カルビー 夏ポテトでさえも対抗できない勢いです⇒最新の情報をご覧ください(X 、HP)
その商品とは下記です。
サントリー プレミアムハイボール白州清々しいスモーキー 350m
アサヒビール 未来のレモンサワー オリジナル 缶 345ml
アサヒビール 未来のレモンサワー プレーン 缶 345ml
※未来のレモンサワー2SKUは首都圏/関信越エリア限定発売
3つの新商品の異次元さがわかるように、5月の売上No1、No2の商品と比べてみます。
図1:RTD主力5商品の売上金額の推移:首都圏
図2:RTD主力5商品の売上金額構成比の推移:首都圏
表3:RTD売上ランキング(金額):2024年6月11日~15日
新商品3品でRTDカテゴリーの34.8%を占めました。成熟していると言っても過言ではないカテゴリーでこの値は異次元だと言え、特筆すべきは商品単価です。
同容量の商品に比べ倍以上の単価で売れている事は、小売業にとっても幸せな事だと思います。
サントリー プレミアムハイボール白州清々しいスモーキー 350ml:3.2倍(=597/187円)
アサヒビール 未来のレモンサワー オリジナル 缶 345ml :2.4倍(=259/108円)
アサヒビール 未来のレモンサワー プレーン 缶 345ml :2.4倍(=258/108円)
また、取扱のある店での販売個数の最大値は下記になります。
サントリー プレミアムハイボール白州清々しいスモーキー 350ml:27.3本/店 6/11(火)
アサヒビール 未来のレモンサワー オリジナル 缶 345ml :62.4本/店 6/11(火)
アサヒビール 未来のレモンサワー プレーン 缶 345ml :47.9本/店 6/11(火)
偶然にも同じ日に販売最高個数を達成しましたが、平日という事にも驚きです。
これらの新商品は当然ながらRTDカテゴリーにもインパクトを与え、RTDカテゴリー金額前年比115.0%(6月1~15日)になっています。
表4:RTDカテゴリーメーカーシェアの推移(金額)
「RTD」において長年4番手だったアサヒビール社が、今回を機に一気にNo1を目指せるポジションになった事も興味深いです。
■「未来のレモンサワー」2商品を実飲
先日テレビで「レモンを詰める事」「レモンを浮かび上がらせる事」、「細菌の繁殖を抑える事」の開発秘話をやってました。レモン詰めは全部機械でしている、レモンの厚みは5mmじゃないと浮かび上がらないとのことでした。そんな背景を知って飲んだので、「缶」無量でした。

図3 (左)口径よりも大きい輪切りレモン (右)輪切りレモンの厚さ
6/13~16にアルコール好きな知人(わずか5人)に調査しましたが商品認知度は20%でした。20%の方はトレンドを捕らえるアンテナ精度も高く、アルコール好きですので健康にはくれぐれも注意していただきたいと思いました。
これだけ売れていてもまだまだ認知度UPとともに売上UPにつながると思います。
また、二匹目のドジョウはグレープフルーツなのか、意表を突いた枝つきサクランボなのか、焼き芋なのかわかりませんが、楽しみに次なる一手と他社の対応商品を待ちたいと思います。
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