トレンド
vol.164『RDS回想録 1994年』
市場データRDSでは、1992年からのデータ分析が可能です。
過去に発売された商品を振り返りたいと思い、初回は30年前の1994年にフォーカスしてみます。
■1994年を思い起こすキーワード
・流行語:すったもんだがありました/イチロー効果/同情するならカネをくれ
・総理大臣:細川護熙(日本新党)⇒4月28日羽田孜(新生党)⇒6月30日村山富市(日本社会党)
・主な出来事
松本サリン事件(地下鉄サリン事件は翌1995年)
ナリタブライアン3冠馬
10.8決戦(巨人VS中日)
読売ジャイアンツ日本一 MVP(セ)桑田&(パ)イチロー
アイルトン・セナ事故死
・ヒット曲
1位 innocent world/Mr.Children.
2位 ロマンスの神様/広瀬香美
3位 恋しさとせつなさと心強さと/篠原涼子with t.komuro
4位 Don’t Leave Me/B’z
5位 空と君のあいだに/中島みゆき
※集計期間 1993年12月6日付 – 1994年11月28日付 集計会社 オリコン
30年前に物心がついていた方は、ヒット曲で時代背景を明確に思い出すことが出来たのではないでしょうか?
■1994年発売の商品
そんな1994年に登場した商品には
トッポ(ロッテ)
ウイダーinゼリー(森永製菓)
すりおろしリンゴ(宝酒造)
ドンタコス(湖池屋)
などがあり、今回はトッポ(ロッテ)にフォーカスしてみます。
4月に発売の「トッポ」は、発売年は22位にランクインし、定番商品が多いチョコレートカテゴリーの中で発売翌年にはランキング3位に見事に大躍進しました。
表1:1995年 チョコレートカテゴリーランキング(金額)
今回の使用データ:RDSスーパー全国:100店舗当たりの金額 カテゴリー:チョコレート(JICFS分類)
おおまかな商品仕様は、ポッキー(江崎グリコ)、ラッキー(明治)と同じですが、違いはチョコが外がけではなく、筒状の中に入っている為、べたべたしにくく気温耐性が高いことでした。
いわば「チョコレートがかけられたスティック」の代表的なブランドの30年の金額シェアの推移を見てみます。
図1:チョコレート4ブランドの金額シェア推移
「トッポ」は発売後、1999年にかけてシェアを急拡大させ、「ポッキー」に次ぐブランドになりました。
「フラン」発売後、No3に降格しましたが、その後2002年には返り咲き、強いNo2のポジションをキープし今に至っています。
■「トッポ」のロッテ内の影響
王者「ポッキー」を脅かすほどの「トッポ」の躍進でしたがロッテ内ではどうだったのでしょうか?
下記はチョコレートランキング(ロッテ商品のみ)の推移です。
表2:ロッテ社チョコレート商品金額ランキングの推移
ロッテ社は「コアラのマーチ」「パイの実」「ガーナミルク」「クランキー」などのチョコレートのメジャーブランドを有していますが、発売翌年に1位になった事は社内でも驚きだったのではないでしょうか?
発売4年後にはバリエーション商品である「くろトッポ」が登場し、その後いちご、チーズ、ミルク、バターなど数多く発売されました。
今では、「トッポ ザ・ショコラ」「トッポ ロイヤルミルクティ」と併せて品揃えしている店が多いようです。
発売翌年から首位を維持してきましたが、2005年に「ガーナミルク」に奪われてしまい、直近の2023年は下記ランキングです。
表3:ロッテ社チョコレート商品金額ランキング:2023年
参考)
1位:ガーナミルク1964年発売(今年60周年)
2位:パイの実 1979年発売(今年45周年)
3位:トッポ 1994年発売(今年30周年)
見事に15年刻みの年功序列になり、登場以降勢いのあったトッポも大先輩方の後塵を拝しています。
このロングセラーの3つのブランドの30年の金額シェアの推移は以下になります。
図2:ロッテチョコレート3大ブランドの金額シェア推移
皆さんも「トッポ」の歴史とともに30年前を振り返り、久々に「トッポ」を召しあがってみてはいかがでしょうか?
■発売30周年を記念して
現在のところ「30周年」などの文字が入った商品パッケージは見かけていませんが、ZOZOマリンスタジアムの両翼のホームランポールには「ノッポトッポちゃん」が縦6メートル、横57センチサイズで登場し、当てるとトッポ1年分が貰えるようですので、スポーツニュースも要チェックですね。
次回は、Windows95が発売されインターネット元年となった1995年にフォーカスしようと思います。
お問い合わせ
-
- ご購入前のお問い合わせ :
- 03-6908-7878
-
- 保守契約に基づくお問い合わせ:
- 03-6908-7817
受付時間 9:00-18:00
(土日祝日・年末年始・当社休日を除く)