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vol.148『コロナ前とどう変わった?“2022年”今注目のグミ市場』

 新型コロナ禍になって3年目、だいぶ生活はコロナ前に戻りつつありますが、マスク生活やリモートワークなどの「ニューノーマル」は依然継続している印象です。そんなリモートワーク中の口寂しい時に皆様は何を口にされますか。当社マーチャンダイジング・オンではグミ好きが非常に多いので、今回はグミについて書いていきたいと思います。
 2022年はまさに空前のグミブームと言ってもいいほど、グミが人気!SNSでグミを使ったオリジナルレシピについて語ったり、推しグミを発表し合ったりする「グミニケーション」という造語も出来上がりました。また、コアなファン同士の間ではグミを食べた時の咀嚼音を楽しむ「ASMR(エイエスエムアール)」というコミュニケーションをSNSで取り上げる方もいらっしゃいました。
 更に、2022年は海外からの輸入商品も脚光を浴びました。「トローリ プラネットグミ」(通称:地球グミ)や「アモス 4Dグミブロックス」などはその中でもスーパーマーケットからコンビニエンスストアに至るまで、多くの小売業の棚に並んでいたのが印象的です。
 今回はそんなグミについて、RDS市場データを使いながら見ていきたいと思いますのでお付き合いくださいませ。

【グミの市場を見てみましょう】

まず、グミの市場状況についてみていきましょう。

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 今回口さみしい時に食べるものというところで、「グミ、キャンディ・ソフトキャンディ、ガム、タブレット、ラムネ」の5カテゴリーで分析をしてみました。すると2021年12月~2022年11月までの1年間でグミが前年比112.2%と大幅に伸長しています。またコロナ前の2019年~2022年の推移を見ても、取り扱いSKU数・売上金額共に右肩上がりで伸長。グミの注目の高さがうかがえます。
 では、次に2022年のグミのトレンドを追っていきたいと思います。

【噛み応えがクセになる!今ハードグミが人気?】

 今、売場を見ると「ハードグミ」と書かれた商品が多数並んでいるのを見かけます。ちなみに「ハードグミ」とは、“グミの中でも噛み応えがあり、弾力のある硬い食感が特徴のグミ”のことです。最近では、明治様がこの硬さに着目し、ソフト~ハードまで6段階のチャートでグミを種類分けしていることも話題となっております。
 また、「ハードグミ」を好まれる方は、噛んで顎を動かすことで集中力を高めたい、ダイエット効果を期待している、子供に噛む力を付けたいなど子供から大人まで多種多様なニーズを持っているようです。では、今注目の「ハードグミ」がどの様な状況になっているのか下記の8ブランドに注目して見ていきましょう。

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 「ハードグミ」8ブランドでの前年比は131.2%ということで、先ほどのグミ全体112.2%と比べてもハードグミは大きく前年比を伸ばしていることがうかがえます。また、こちら8ブランドについては、どちらの商品も前年比を大きく越える結果となっています。
 また、右図が2019年~2022年までの8ブランドの売上とSKUの推移です。ノーベル製菓様のペタグーグミやカメカメサワーズなど2019年にはまだ市場に出ていなかったこともありますが、2019年比で売上は約2.5倍の増加率となっています。メーカー様の商品開発についての力点が見えるようです。
 また、これら8ブランドの中でも構成比が最も高いのは、「ハリボー」です。グミ好きの方で「ハリボー」を知らない方はいらっしゃらないと思いますが、ハリボーのルーツを辿ると、1922年にドイツで発売されたのが発祥となっています。当時はドイツでは強く噛む必要のある食べ物が少なくなり、歯に関する病気にかかる子供が増えていたそうです。その病気の予防として硬いグミ「ハリボー」が誕生したとのことです。なので、「ハリボー」は世界で最初のハードグミということになるのかもしれません。
 それではその「ハリボー」の人気ランキングトップ10をご覧ください。

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 「ハリボー」の商品はトップ10までの商品で累積構成比の92.9%を締めており、上位品に人気が集中しております。特に「ゴールドベア」と「ハッピーコーラ」の2商品で67.3%と「ハリボー」の代名詞となっております。また、その上位商品のほとんどは前年を大きく越えており、まさにハードグミの牽引役となっていると言えるのではないでしょうか。
 また、ハリボーの30年間の実績推移は下記のとおりです。

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 「ハリボー」が日本のスーパーに顔を出し始めたのはRDS上では2000年のこと。特にここ20年では実績が6.9倍にも跳ね上がっています。今まではバラエティショップなどのお菓子コーナーでのみの展開をされていたイメージですが、今ではしっかりスーパーの定番商品となっています。

【2022年輸入グミはどうなった?】

 この様に2022年は「ハリボー」はもちろんですが、それ以外にも海外からの輸入グミを売場で見ることが非常に増えたという印象を持っております。最後に輸入品グミと国内生産のグミの比較を見ていきたいと思います。

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 2021年12月~2022年11月の実績を見ると輸入商品は構成比こそグミ全体に比べて6.7%と小さいですが、前年比162.2%と大きく伸長しています。またコロナ前の2019年の日本のスーパーでは約30SKU程度しか扱いのなかった輸入商品も約3倍の93SKUまで拡大し、売上金額についても約16倍と大きく伸長しています。このことから消費者がグミに対して、国内商品のみならず海外の商品に関しても非常に関心度が高く受け止められていることがうかがえます。
 それでは、2021年12月~2022年11月までの1年間で人気があった輸入グミのランキングを見ていきましょう。

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 輸入商品のランキング上位品はやはり「ハリボー」が独占しています。しかし、2022年4月から他商品の進出が増え始めその牙城も崩れはじめました。特に10月には遂に不動の一位「ハリボーゴールドベア」を抜いて「トローリ プラネットグミ」(通称:地球グミ)が一位となりました。そして、その翌月には10品中5品が新規参入メーカー品となっており、日本のグミ市場にて輸入グミの熾烈な構成比争いが起こっている様相を呈しております。小売業の品揃えを考える際にも、輸入グミをバラエティ豊かに扱うことで消費者に商品選択の楽しさを提供できるのかという視点も今後注目されそうですね。

 いかがでしたでしょうか。グミの市場について、「グミ全体」と「ハードグミ」「輸入商品」といったキーワードで確認していきました。こちらをご覧いただいた読者の方がグミについて、そして当社RDSについて少しでもご興味と新しい着想を得ていただけましたら筆者としては嬉しい限りです。グミもRDSもこれから益々新しい進化を遂げていくことと思われます。
 皆様是非2023年もグミにもRDSにもご期待くださいませ。


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