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vol.145『ゆく年くる年、来年はどんな年?』

年の瀬も押し迫っておりますが、皆様におかれましてはどのような2022年だったでしょうか?世界情勢や円安、物価の高騰への対応を余儀なくされた方もいれば、大谷選手とジャッジ選手のMVP争いや白熱したプロ野球日本シリーズ、そして最後の最後まで好試合が目白押しだったサッカーワールドカップに心を熱くした方も多かったのではないでしょうか?今年の漢字は「戦」でしたが、個人的にはつらいニュースの一方で、心を熱くさせてくれた戦いがたくさんあった年の「戦」であったと思っています。

 それでは、そんな2022年の締めくくりとして、RDSから調べた、平和な「戦」をご紹介したいと思います。

①王道のきのこたけのこ戦争

 皆さんも一度は「きのこ派」「たけのこ派」という話題を耳にしたことはあるのではないでしょか?そう、「きのこの山」と「たけのこの里」のきのこたけのこ戦争です。

 Wikipediaにもページがあり、メーカーHPでも過去3回国民総選挙が実施され、2勝1敗でたけのこの里が勝利していたりと、話題に上がれば盛り上がる定番の内容なのですが、これを売上という観点で見ることはなかなかないと思います。そこで30年POSのシェア推移から見てみたいと思います。

■30年POS きのこの山VSたけのこの里 金額シェア(1992年~2021年)

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 こちらは商品名にそれぞれ「きのこの山」「たけのこの里」が含まれる商品をグルーピングした結果です(アソート品は除く)。こうしてみるとたけのこの里がこの30年間ではシェアが高いのですが、直近3年間ではきのこの山もシェアが伸長傾向で、たけのこ優勢なれど一進一退な状況が分かります。

 そんな永遠のライバルときのこたけのこですが、実はこんなライバルも・・・

■子どもがいちばん好きなチョコレート菓子は?
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※「おうち教材の森」(https://naki-blog.com/study/)2022年3月3日調査より引用

 こちらは日本全国の中学生以下のお子さんをお持ちの親御さんを対象に「子どもがいちばん好きなチョコレート菓子は?」とアンケート調査を実施した結果なのですが、きのこたけのこが合わさっても1位のコアラのマーチの得票数には届きません。一方でRDSでの売上はというと。。。

■RDSスーパー全国 金額シェア(2022年1月~2022年11月)
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 2022年のシェアで見ると、きのこたけのこはコアラのマーチよりもシェアが取れていることが分かります。実際に親御さんの「好き」というイメージと「売上シェア」にはギャップがある事が分かりました。ちなみに筆者は生まれてこの方たけのこ派です。

②カレーで一番売れている辛さは?

 皆さんはカレーを選ぶ時の選択基準として何を重視されていますか?「ブランド」や「辛さ」など重要ポイントは人それぞれかと思いますが、各ブランドの多くは甘口・中辛・辛口といった辛さの種類を用意しています。それではその辛さごとに売上シェアを比較したら、どれが一番売れているのか、30年POSを使って検証したいと思います。

 30年POSの結果はこちらです。

■30年POS レトルトカレー×辛さ別分析 金額シェア(1992年~2021年)

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 こちらは1992 年~2021年にて、レトルトカレーの商品名称に「辛さの表記」が含まれる商品をそれぞれグルーピングして集計した結果です。30年間では中辛がそのシェアを大きく伸ばしています。また甘口は緩やかにシェアを落としていたのですがコロナ禍での子供のリモート授業やおうち時間の影響かこの2年は上向きになっていました。一方で辛口はそのあおりを受けてか減少傾向が続いています。世の中激辛ブームでテレビやイベントでも激辛メニューをよく見かけますが、レトルトカレーにはその波が来ていないようです。またお寿司にワサビはいらないというZ世代の意見もあるようなので、こういった商品で辛さをそこまで求めていないという状況があるのではないでしょうか?

 ちなみに筆者は中辛が好きです。

③サッポロ一番で支持されている味は?

 続いてラーメンの味ということで、インスタント袋麵で見てみます。

 2021年のインスタント袋麺のTOP10は以下の通りです。

■30年POS インスタント袋麺ランキング(1992年~2021年)

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 袋麺ではサッポロ一番みそ味・塩味が盤石の1位・2位フィニッシュとなっていました。一方で同しょうゆ味を見ると大きく水をあけられていることが分かります。それではこの3つの味のシェアはこの30年でどのようになっているのでしょうか?

 30年の結果はこちらです。

■30年POS サッポロ一番×味別分析 金額シェア(1992年~2021年)

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 各味ごとの単品と5食入りをそれぞれグルーピングして分析した結果です。個人的にはみそ味の一人勝ちかと思っていたのですが、塩味がここまでシェアを伸ばしているとは思いませんでした。一方で一番シェアを落としているのがしょうゆ味なのですが、どこに理由があるのか、直近6年間のインスタント袋麺のTOP10から推察してみます。

■30年POS インスタント袋麺 金額ランキング(2016年~2021年)

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※画像をクリックすると大きな画像が別ウィンドウで開きます

 

 こうしてみると、TOP10の中にしょうゆ味がサッポロ一番含め6商品もあり、またこの6年間インスタント袋麺のTOP10のラインナップは全く変わっていないことが分かります。もしかしたらインスタント袋麺に関しては消費者の方はもう買うものが固定されていて、ブランドスイッチが起きづらい状態になっているため、シェアをそこまで伸ばせていないのかもしれません。ちなみに筆者は小さいころから塩味一本で育っています。

 RDSをから検証した「戦」はいかがでしたでしょうか? 2023年は、お互いが切磋琢磨しあって、楽しい「戦」いで明るいいい年になるといいですね!

 来年もマーチャンダイジング・オンをよろしくお願い致します。

 よいお年を!


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