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vol.142 『食品購入時の判断基準は。』

昨今、原油の値上がり・円安等で食品全体の価格が上昇しています。
「価格」「鮮度」「産地」「味」「安全性」…ありますが日本政策金融公庫(消費者動向踏査 令和2年1月調査)では、食品購入時の判断基準は11品目すべてで「価格」が最も多くなりました。また前回調査(平成27年)との比較では、多くの品目で「価格」の割合が上昇し、価格以外の判断基準は低下しています。
特に、「国産」「安全性」は4品目で、「味」は3品目で前回調査から10ポイント以上減少しています。(表:1)

(令和2年1月 ・インターネットによるアンケート調査・N値男女2000人)
日本政策金融公庫調べ

調査対象(11品目)
米・野菜・果物・牛肉・豚肉・鶏肉・卵・牛乳乳製品・魚介類・惣菜・弁当類 (表:1)

(表:1)
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今回、上記を踏まえ RDSで「価格帯」の分析をご紹介します。

パン(食パン・菓子パン・調理パン)について調べて見ます。(エリア: スーパー全国&8エリア)

最初に2021年度のエリア別 売上高並び前年比を見てみます。(100店舗あたり)(表:2)

(表:2)

  trend142_2.png

※画像をクリックすると大きな画像が別ウィンドウで開きます

 

スーパ全国で21年度は菓子パン・調理パンは前年比を捉えていますが、食パンは前年を捉えていません。
そこで今回、食パンについて「価格帯」を調べて見たいと思います。

まず、エリア別で、北海道(前年比 102.2%)と首都圏(前年比95.6%)を価格帯での売上&構成比を比較してみましょう。(表:3)

(表:3)
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縦軸に売価(50円刻み)、価格帯別に商品並び売上高ランキングと売上高構成比が作成されています。

どの価格帯でどのような商品が購入されているのかが売上高ランキングで表示してあります。

ここで、北海道と首都圏を比較すると、~99円の売上構成比は北海道14.8%に対し首都圏は9.3%また150円~199円では、首都圏がプラス4.9ポイント上回っています。
このようなところに好・不調の要因があるのではないでしょうか。

更に売上構成比とアイテム構成比を価格別にグラフにすると2エリア間での違いがわかります。(グラフ:1)

(グラフ:1)
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北海道と首都圏を比較すると、価格帯に於いて売上構成比とアイテム構成比で差異が見られます。
グラフから分かるように、100から149円の価格帯で売上構成比とアイテム構成比が大きく異なります。
グラフ(1)の分析結果から考察すると、首都圏では、~99円と200~300円の商品を減らし100~149円の商品並び150~199円の商品を増やしてはどうでしょうか。
更に首都圏と北海道に於いても300円~の商品の見直しを進めてはどうでしょう。

年収等エリア格差は生じますが、不調エリアは好調なエリアに追従するのも回復への一つではないでしょうか。

購入時における判断基準は最初述べたように価格に最も左右されるのであれば、価格での品揃えを棚割作成の再、再度見直してみてはどうでしょうか。

次に21年度で価格帯別に首都圏と北海道の売上高を見てみましょう。(表:4)
ここからは価格を~99円から500円~(100円刻み)で見ていきます。(価格区分は自由に設定できます)

(表:4)
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購入されている売価帯は両エリア共に100~199円がもっとも多い。しかし前年比に違いが見られます。 (首都圏 95.2%  北海道 105.1%)
好調なのは、500円~で売上構成比は低いものの両エリア共に前年比を大きく伸ばしています。

ここでもう少し、500円~について調べて見ました。
では、年間を通じて500円~の食パンは、いつ購入されているのでしょうか。
そこで、食パンを価格帯別に販売指数を見てみましょう。

(販売指数=年間平均を100とした時の指数)

北海道 食パン価格帯別販売指数 (グラフ:2)

(グラフ:2)
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北海道の場合、1月~4月までは購買指数はかなり低いですが6月・9月・11月・12月と高くなっています。
価格500円~の販売は上記4ヵ月に集中した方が売上は更にアップしそうです。

次に、首都圏を見てみます。(グラフ:3)

(グラフ:3)
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首都圏では500円~の販売指数は12月のみ高くなっています。北海道とは違いますね。
また400~499円では5月と11・12月に販売指数が高くなっています。

最後に売価と売上高の関係について全国、直近8年間の推移で、食パン売上上位4品で調べて見ました。(グラフ4)

(グラフ4)
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ヤマザキ ロイヤルブレット6枚は売上高が右肩上がりで推移しています。売価をみると年を追うごとにダウンしています。パスコ 超熟食パン6枚は売上高はダウン傾向です。売価は徐々にアップしています。

2021年で上記2品の売価を比較すると、超熟食パン 150.6円 ロイヤルブレッド130.8円、約20円の差があります。個人の嗜好性も無視できませんが、一つの仮説として売価差を購入動機として捉えると売価150円と130円では売価130円の方が売上を伸ばしています。
このように売価と売上高を比較することで、売れる価格帯とはいくらなのか知ることが重要ではないでしょうか。

今後もPOSデータを活用して時代の変化に対応していきたいものです。


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