トレンドのアイコン

トレンド

vol.126 『新RDSデータによるエリア別ギャップ分析』

 (株)マーチャンダイジング・オンが2018年4月に(一財)流通システム開発センターからRDS事業を承継してから3年、この度2021年6月よりRDSデータの品質が大幅にアップして新RDSとしてリリースされました。
 小売業様とのお取組みも広がり、スーパーマーケットの収集店舗数は現在179社4,329店舗と大幅に増加しています。また弊社では、市場をより正確に反映させるべく店舗サンプリングを実施し、その中から1,247店舗をサンプル店として使用しております。
 今回の新RDSデータでは家計調査の1世帯当たりのデータを、RDS同様の100店舗当たりに変換をしており、生鮮・惣菜のデータもRDSデータと位相を合わせて分析が可能となっております。
 今回は新しくなった新RDSデータを使用して、生鮮も含めエリア別のギャップ分析を中心にお話ししていきたいと思います。

①エリア別「生鮮肉」類 消費金額構成比較
下記のグラフは、エリア別の生鮮肉類の直近1年間の消費金額構成を、RDS分析ツール「Supplier Portal」で出力したものです。よく関東と関西では「牛肉」・「豚肉」の消費量が違うといわれていますが、エリア別に数値で比較して見ると違いが明確になります。鶏肉にはエリア別に大きな違いはありませんが、「牛肉」と「豚肉」の消費構成は関東と関西では大きく異なり、関東以北では「豚肉」の消費金額は50%を超えます。
trend126_1.png

②エリア別「水物」類 売上金額構成比較
納豆も関東と関西で売れ行きが大きく違うと言われます。JICFS分類の「水物」で各カテゴリーの売上金額構成を出力してみました。やはり「納豆」の本場水戸を擁する関東甲信越エリア、そして首都圏エリアでは「納豆」の売上構成が大きくなっています。また、「牛肉」・「豚肉」の場合とは異なり、九州では「納豆」の売上構成はそれほど低くなっておらず、関西とは異なる食文化となっていることがわかります。
trend126_2.png

③エリア別「砂糖」「食塩」 売上金額構成比較
九州は全体的に甘いものが良く売れると言われています。諸説あるらしいのですが、「気温が高いと甘いものを欲しがる傾向にある」、「九州は江戸時代から砂糖が手に入りやすいエリアだった」というのが主な理由のようです。確かに醤油を代表選手として、実際九州では甘い味付けが多くなっています。RDSで食塩と砂糖の売上構成を見てみると、砂糖の売上構成が一番高いのは九州となっています。
trend126_3.png

④エリア別「インスタントカレー」類 味別売上金額構成比較
本当は醤油で比較をしてみたかったのですが、醬油の甘口、辛口の判断は名称からでは大変困難なので、インスタントカレー(ルゥカレー)の甘口、中辛、辛口を「Supplier Portal」の※My属性を用いて分類し、エリア別の売上構成を出力してみました。
 ※商品名称にある甘口、中辛、辛口をキーとしてMy属性で分類紐付けを実施しています】
trend126_4.png インスタントカレーで見ると「甘口」の売上構成は、暖かい九州・中四国は比較的高くなっているのですが、寒いエリアの北海道・東北で「辛口」の売上構成が高くなっているのも見てとれます。

⑤エリア別「サンヨー食品 サッポロ一番」 味別売上金額構成比較
最後にインスタント袋麺で最も売れているブランド「サッポロ一番」の売れ筋2大フレーバー、「みそ」と「塩」の売れ行きの違いを新RDSでみてみたいと思います。
trend126_5.png 全体で見るとサッポロ一番の「みそ味」と「塩味」は売れ行きが拮抗しているのですが、東北と九州では「みそ味」が7割近い売上構成となっており、「みそ味」の支持率が他エリアと比較して断トツに高くなっていることがわかります。

このように、エリアによって食の嗜好性は大きく異なってきますので、感覚ではなく市場データのような数値情報を活用し、具体性を持ったマーケティング戦略が必須であると思います。


市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
※さらに詳しい資料・細分類でのランキングデータをご希望の方はこちらから
↓↓↓

サンプルデータ申込み


お問い合わせ

    • ご購入前のお問い合わせ   :
    • 03-6908-7878
    • 保守契約に基づくお問い合わせ:
    • 03-6908-7817

受付時間 9:00-18:00
(土日祝日・年末年始・当社休日を除く)

ページトップへ