トレンド
vol.123 『10年・・・・・』
■東日本大震災から10年
今年の3月11日(木)午後何をしていましたか?
10年前の3月11日(金)午後何をしていましたか?
後者の質問には皆さん克明に答えることができると思います。
防災用の食品と言えば、代名詞とも言うべき「カンパン!」を挙げる方が多いのではないでしょうか?
ここ数年で「あっ、こんなのも出てるんだ!」と防災用の菓子を店頭で見かけることが多くなりましたので今回は「防災用の菓子」に焦点を当ててみます。
■防災用の菓子って?
「防災用の菓子」カテゴリーの売れ筋を出してみました。Plano-POSのMy属性機能使用。
表1)「防災用の菓子」金額ランキング直近10W(2021/1/4週~3/8週)
大きく4つに分類されることがわかりました。
➀ロングセラー&ベストセラー:カンパンシリーズ
②菓子ブランドを活かした商品・・・・ビスコ、ルヴァン、ハーベスト、ミレーetc
③防災食品シェアNo1の尾西食品のライスクッキー類
④井村屋「えいようかん」シリーズ
■「防災用の菓子」はいつ売れているのか?
図1)「防災用の菓子」販売指数:2019年53週
※2019年にした理由:2020年はコロナ禍であったので、そのノイズを省く為(傾向は同じです)
「3月周辺」 と 「9・10月」 に顕著に指数が跳ね上がる事がわかりました。
それぞれは何の影響だか想像つきますか?
10月は難易度★★★★☆です。
【3月周辺】
図2)「防災用の菓子」販売指数:2019年1~14W部分抜粋
・03/11・・・東日本大震災
・01/14・・・阪神淡路大震災(1995/1/17発生)によるものと思います。
※特徴としては、売場展開を開始した2月後半から売れていて、3/11の翌週から100を切っています。
【9・10月】
図3)「防災用の菓子」販売指数:2019年32~44W部分抜粋
・ 8/26週・・・防災の日(9/1)
※特徴としては防災の日の翌週(9/2)、翌週も高い指数です。
3月は3/11週の翌週からは下落したのに比べると対照的です。
「防災の日が終わったから売場撤去」は機会損失しているかも知れません。
・10/07週・・・千曲川が氾濫するなど首都圏も直撃した台風19号の影響です。
■「防災用菓子」の売場の現状
・52週販促カレンダーにも掲載有るようにほとんどの企業・店舗が
3月・9月のタイミングで特設展開している事が多いです。
特設時期以外に買おうとしたら、ビスケット売場にカンパンがある程度。
菓子のプロに聞きましたが、特設展開終了の際、返品になる場合もあるようです。
■ローリングストックご存知でしょうか?
図4)左:(出典)ウエルシア社 2021/3/24デジタルチラシ
右:ローリングしていない私の備蓄品(期限切れ多数)
「循環型備蓄」と訳される「ローリングストック」はメーカー告知等で認知度が上がっています。
東日本大震災で被災した友人から、残った非常食(米軍のミリ飯等)を貰った事がありました。
びっくりする味で心身ともに弱っている時に食べたらどうなるだろうと悲しい気分になりました。
ローリングストックの最大のメリットは「非常事態時に食したことのある食べ物を安心して食べる事ができる」ではないでしょうか?
■今後の「防災用の菓子」の売場提案
3/15~22 首都圏のスーパー11店舗を巡回してきました。
ビスケットコーナーにカンパンはあるものの、特設コーナーを設置している店は見事にありませんでした。
●現状:年に2~3回の特設 ⇒ 今後:常設売場(レジ前)
●常設の理由&メリット
・機会損失の防止:地震が起こった当日、翌日
・店のロイヤリティUP(普段買い物している店に置いてある)
深夜にゴキブリを発見し、コンビニに駆け込むとホイホイとスプレーがあるあの安堵感。
店の売上にインパクトを与えるほどの売場にはなりませんが、売上額以上の効果が期待できるのではないでしょうか?
地震・雷・火事・おやじ・水害等、皆さんが被災する確率は年々上昇しています。
防災用の食品、防災グッズ含め、売場を常設する価値はあると感じていますので、提案できる商品があれば提案されてみてはいかがでしょうか?
被災地にヒアリングに行かれた菓子のプロに聞きましたら、経験しないとわからない答えが出てきました。
「歯みがきガムが必要です」と。
参考)官民学の連携でこんな動きもあります。
https://www.asahi.com/articles/ASP3174LDP2HUTIL051.html
出典:朝日新聞デジタル
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