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vol.107 『筋トレ用以外でプロテインを食べてみませんか?』

 皆様、コロナ禍でまだまだ落ち着かない日々が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
 今回の流通トピックスではRDS市場データを使って、健康維持のためにも欠かせない「たんぱく質」について分析してみました。

 プロテインフードと聞いてどんなブランド、商品を思い浮かべるでしょうか?
主には水や牛乳で溶かすような粉タイプのプロテインをイメージされる方が多いかと思います。普段から何かスポーツをしている人が筋力増強のために食べる機会が多い印象ですが、昨今では飲料や他の食品カテゴリーでも新しいタイプのプロテインフードが出ており、「高たんぱく質」と表記されるような商品も出てくるなど、より身近な存在になってきている傾向があります。最近は在宅勤務などで免疫力の低下を抑えるためにも、朝食にたんぱく質の摂取を意識すると良いと各種メディアでも耳にするようになりました。

 また日経トレンディと日経クロストレンドが発表した、「2019年ヒット商品ベスト30」には「即食高プロテインフード」がランクインしており、更に厚生労働省からは、2019年2月に発表した食品摂取基準の中で高齢者へのたんぱく質摂取を推奨しているなど、流行としても健康維持の一要素としても注目が集まってきています。
 (出典)
2019.11.01 日経XTREND 「2019年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30」
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/00002/
2019.2.22 日本経済新聞 「「高齢者もたんぱく質を」 厚労省案、虚弱予防で」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO41611380S9A220C1CR8000/

 そんなプロテインフードのブームは全国のスーパーでも実績として表れているのか、まずは2019年5月~2020年4月の期間で分析してみました。

【図1:RDSスーパー全国 プロテインフード100店舗当たり販売金額(千円) 2019年5月~2020年4月】
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 ※プロテインフード:生鮮食品を除く食品全件から、商品名称に「プロテイン」を含む、かつ「たんぱく質」の摂取補助となる商品名称の商品群でグルーピング。

図1の実績から、やはり日経の2019年ヒット商品にもランクインしただけあって、前年比227%と非常に好調であることが分かります。
2019年5月~2020年4月で、100店当たりの販売金額で年間約3,000万円の規模ですので、現在の全国スーパーマーケット数を約2万店として換算すると、約60億円の市場規模となるでしょうか。

 同時期で商品ランキングを見てみたところ、トップ30の内、前年割れの商品は3SKUのみでした。新商品(前年比 — )も数多くランクインしており、1位は従来の飲むプロテインではなくシリアル類の商品が1位に食い込むなど、まさに地殻変動が起こっている最中であるようです。
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 次に2018年4月~2019年5月と、2019年5月~2020年4月それぞれのプロテインフードランキングからSKU数の比較を行ったところ、
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 新商品が19SKU増えたこともあり、ランキングに出現した総SKU数が増加しております。また、うち前年比が100%以上の商品を見比べると、こちらも2018年5月~2019年4月よりも2019年5月~2020年4月の方が16SKU多く、新商品が増えていくのと同時に既存商品も大きく盛り上がっていることが伺えます。、

 更にそれぞれのプロテインフードランキングから、今度はカテゴリーを比較してみました。、
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 2020年4月から直近1年間で12のカテゴリーでプロテインフード市場に新規参入してきています。このことからもプロテインフードが拡大傾向にあることが伺えます。

 次にRDS市場データの商圏POS※で年齢世帯別にプロテインフードの実績を見てみました。
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 2019年2月に厚生労働省が高齢者のたんぱく質摂取基準を引き上げ、たんぱく質摂取を推奨しましたが、にもかかわらずプロテインフードの販売実績はシルバー商圏では単身若年・ファミリーほどではなく、まだまだ伸びしろのある商圏といえるのではないでしょうか。今後少子高齢化も一層進む中で、現状ではシルバー向けの商品は多くはなさそうですが、既存品であっても店頭でのシルバー顧客への販促方法の工夫次第でより活性化されるものと思われます。

 セルフメディケーションが重要視されつつある昨今、栄養バランス維持の一つとして更にプロテインフードの活躍が期待できそうです。

※商圏POSとは、RDS市場データのサンプル店を、商圏特性別に単身若年商圏、ファミリー商圏、シルバー商圏に分類し、それぞれ実績を集計したPOSデータベースサービスです。商圏によって売れ方の違うカテゴリーや商品をみることに最適です。

市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
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