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vol.90 『タピオカブームの裏で実は…ミルクティー絶好調』
昨年大ブームを起こし、「タぴる」という言葉も生まれたタピオカブーム。 改めてRDS市場データで直近の動向を確認してみました。

直近11月は前年比169.9%。11か月間で見ると179.2%と大きな伸びになっております。 ただしアイテム別にみると、様子が変わってくることが確認できます。

1位の安曇野食品工房 EMIAL ブラックタピオカミルクティー 200gが売上の9割を占めております。各メディアでも報道されておりますが、おそらくタピオカそのものの原料調達が難しいため、市場性はあっても、なかなか商品化できないという事情が推察されます。 ところで実は1位の商品も属する紅茶ドリンクそのものが非常に伸長していることをご存知でしょうか? 紅茶ドリンクを以下の名称でグルーピングしてみました。 「タピオカ(タピオカ入り紅茶ドリンク)」「ミルクティー」「レモンティー」「オレンジティー」「アップルティー」「その他(ストレート・その他フレーバー)」

全ての売上が伸びておりますが、最大フレーバーのミルクティーが前年比128.3%とさらに一段とマーケットを拡大しています。 では次にどの時期からミルクティーの売上が上がってきたか、売上推移でみていきましょう。


徐々にではなく、2019年6月から2019年7月にかけて一段階売り上げレベルが上がっていることが分かります。 さらに7月、9月の前年比はそれぞれ153%、162%と驚異的な数値となっており、その後も高い水準で売上実績、前年比を維持しております。 では7月、9月に何があったか、商品別にみていきましょう。


次に9月ですが、9月2日にリニューアル発売したコカ・コーラ紅茶花伝ロイヤルミルクティ440mlが本フレバーで2位につけております。 これらの新製品に焦点を当てて、どの程度新商品・リニューアル品がマーケットを押し上げてきたかについて、次のグラフで確認いただきたいと思います。

オレンジの凡例が新商品・リニューアル品の売上実績追加分となります。既存品のみですと、一部前年割れしている月もありますが、既存品はほぼ前年をキープしつつ、それに新商品・リニューアル品の売上が積上されている様子が分かると思います。 既存ブランドの2トップである「午後の紅茶」「紅茶花伝」も2019年に新商品・リニューアル品を発売しております。新商品・リニューアル品が発売された月にどのような影響があったか、「サントリークラフトボスミルクティー」とともに2ブランドを加えて見ていきましょう。

ここから、9月の大きな伸びは、紅茶花伝の新製品投入が寄与していたことがよく分かります。今期の紅茶ドリンクミルクティーフレーバーの市場拡大の背景は、従来の2トップの積極的な新製品投入にボスが加わって新商品・リニューアルの効果により市場全体を大きくけん引したという図式だったと思われます。 ボスが2強に割り込んできたことはもちろん特筆すべきところですが、それにもかかわらず午後の紅茶が新商品発売によって売上をさらに拡大しているところは見落とせない動きと思われます。 最後に直近3か月のランキングを参考までに見ていきましょう。本年の注目新製品は3~5位を占めています。

タピオカブームによって紅茶ドリンクが活性化したのは確かですが、それと同時並行で王道のミルクティーに大きな地殻変動が起こっていたことが今回の分析で分かりました。 今回分析できなかった他のフレーバー含め、紅茶ドリンクにはまだまだ可能性がありそうで目が離せません。今後とも注目していきたいカテゴリーです。
本年も何卒よろしくお願いいたします。 2020年1月24日 14:53お問い合わせ
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