
トレンド
vol.89 『2019年ハロウィン向けお菓子市場の動向』
日本記念日協会は2019年10月3日にハロウィンの推計市場規模を発表した。
2019年の「ハロウィン」の推計市場規模は前年比約7%減の約1,155億円。
これは過去最高の約1,345億円だった2016年以来3年連続の減少で19年の「ハロウィン」商戦は大きな曲がり角に来ているようだ。

2019年の減少予測の主な理由は3つ
①消費税増税(出費を避けようとする人の増加)
②ラグビーワールドカップや天皇陛下の「即位礼正殿の儀」等の他のイベントとのカニバリゼーション
③関係悪化による韓国からの観光客減少
上記市場動向を踏まえた上で、菓子カテゴリーにフォーカスし、RDSデータを元にハロウィン向け菓子の動向を考察していきたいと思う。
※ハロウィン向けお菓子の対象は商品名にHW、ハロウィン、ハロウィーンとつく商品をPlano-POSのMY属性機能を利用して集計したものである。
まずは、過去3年間(2017年~2019年)の状況をRDSスーパー全国のデータで見てみる。

3年間のトレンドからもわかるように、ハロウィン向けの菓子の売上は減少傾向にある。特に2019年9月の落ち込み率は推計市場規模以上の前年比:約79%(21%ダウン)であり、RDSのデータでもハロウィン市場の減少傾向が確認できる。
次にハロウィン向け菓子のこの2年の売れ筋について見ていきたいと思う。

上記のランキングでは、リニューアル品を薄緑色、新製品を黄色で表示している。18年、19年ともに売上上位20アイテム中8アイテムがリニューアル品、新製品だということがわかる。しかし、19年度の新商品は2アイテム。昨年(18年度)の新商品が7アイテムあったので、菓子メーカーのハロウィンへの取り組み姿勢は18年と比較して弱まっていると考えられる。

上記の表は19年と18年の既存商品、リニューアル品の5商品に絞って平均売価比較をしたものである。すべての商品で値上がりしており、18年・19年のランキング上位20商品の平均売価を比較すると18年:約261円、19年:約270円となり、消費税増税以上の約3.8%の売価アップであった。
以上より、売上上位商品の顔ぶれ固定化による目新しさの乏しさ、売価上昇による消費者の買い控えの影響を強く受けているようだ。
RDSスーパーで見ても、ダウントレンドであるハロウィン市場ではあるが、規模が大きく、年末商戦前の大事なイベントである。小売業としては今後も力を入れていく方針に変わりはないであろう。
実際に、店頭でのハロウィン売場に足を運んでみると、様々な工夫が見られた。ハロウィン仕様の包装袋との関連販売や大人ハロウィンとして期間限定のRTD商品やワインなど、家族でしっとり楽しむハロウィンを演出しているお店もあった。
今後は、ハロウィン向け菓子の商品力に頼るだけではなく、広がりを見せるハロウィン関連商品と組み合わせ、新たなハロウィンの楽しみ方やシーンを消費者に提案することを求められているのかもしれない。
2019年10月25日 15:24
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