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vol.88 『直近の清涼飲料トレンドと「気温」との相関関係』

 このところ暑い日が続いていますが、暑いとついつい手が伸びてしまう清涼飲料の直近のトレンド、また気温と清涼飲料との相関関係について、RDSデータをもとに考察していきたいと思います。
 まずは、清涼飲料の直近1年間(2018年8月~2019年7月)の状況をRDSスーパー全国のデータで見てみましょう。

【清涼飲料の直近1年間の売上状況】
※金額は100店あたり       

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 清涼飲料の直近1年間の数字を見てみると、現状は前年比101.6%と好調なカテゴリーであるということがわかります。中でも、「紅茶ドリンク」が前年比117%、「炭酸水」が前年比116.2%と大きく数字を伸ばしており、この2つのカテゴリーが直近1年間の清涼飲料全体の売上に大きく貢献していることがわかります。

 次にRDSデータの過去5年間の実績から、好調なサブカテゴリーである「炭酸水」、「紅茶ドリンク」の直近5年間の動きを見ていきたいと思います。

【炭酸水、紅茶ドリンクの直近5年間の売上状況】
※金額は100店あたり 

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 5年間のトレンドからもわかるように、炭酸水は年々大きく数字を伸ばしてきているカテゴリーです。炭酸水が注目され出したのはここ10年だと思われ、2008年のハイボールブームに端を発して成長し続けているカテゴリーです。直近ではお酒などの割り材だけでなく、直に炭酸水を飲むというライフスタイルも定着し、10年間で炭酸水市場は7倍~8倍ほど膨らんでいるといわれています。過去5年の伸び率からも、まだまだ炭酸水ブームは続きそうです。
 一方「紅茶ドリンク」はここ数年微増ながら伸びてきてはいたのですが、「炭酸水」ほど大きなトレンドにはなっていません。ただ、この直近1年間は前年比117%と大きく実績を伸ばしています。まずは、この1年間の「紅茶ドリンク」の動きを見てみたいと思います。

【紅茶ドリンクの直近1年間の売上ランキング】
※金額は100店あたり 

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 上記のランキングでは、リニューアル品、新製品をクリーム色で表示しています。なんと売上上位20アイテム中13アイテムがリニューアル品、新製品だということがわかります。各メーカーが徐々に伸びてきていた紅茶のトレンドを逃すことなく、リニューアルや新製品などでうまく市場に仕掛けた結果、「紅茶ドリンク」カテゴリー全体の活性化につながったように思えます。
 また、ランキング3位の「EMIAL ブラックタピオカミルクティー 200g」も既存品ながら注目すべき商品で、近年のタピオカブームにうまく乗り徐々に売上ランキングを伸ばし2019年5月からは「紅茶ドリンク」カテゴリーでの売上NO.1商品まで上り詰めています。


【紅茶ドリンクの売上ランキング推移】
※金額は100店あたり  
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※画像をクリックすると大きな画像が別ウィンドウで開きます

 

 さて、好調な「紅茶ドリンク」「炭酸水」の貢献もあり、6月まで順調だった清涼飲料カテゴリーですが、7月に大きな変化が見られます。そうです、今年の7月は昨年と比較して大きく気温が低くなっています。首都圏の気温の変化をもとに首都圏の清涼飲料の売上と気温の相関を見てみたいと思います。下記は週別に昨年との気温差とサブカテゴリー単位での売上の前年比をまとめたものです。

【RDS首都圏 清涼飲料の週別前年比と気温差の推移】
前年比:% 

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※前年比90%以下を赤字、120%以上を青字で表示 

 好調であった清涼飲料カテゴリーが、気温差により大きく前年実績を割っているのが見て取れます。特に、昨年との気温差がマイナス8度近くあった2019年7月8日~7月14日週は「清涼飲料カテゴリー」自体の前年比が72.4%と大きく昨年実績を割っています。中でも「スポーツドリンク」の落ち込みは激しく、前年比39.7%と壊滅的な状況となっています。気温との相関が顕著な清涼飲料カテゴリーですが、サブカテゴリー単位で見てみると影響の差異が見て取れ、影響度が一律でないことが良く分かります。
 8月に入ると気温もどんどん上昇してきたので、8月5日週では清涼飲料カテゴリーは前年比116.7%と前年の売上を大きく上回ってきています。気温の上昇時でもサブカテゴリーごとに変化が異なり、新製品効果の大きい「紅茶ドリンク」を除くと、「日本茶・麦茶ドリンク」「炭酸水」が気温の上昇に大きく反応していることがわかります。
 今回は気温との関りがわかりやすい清涼飲料を題材に分析してみましたが、他のカテゴリーにおいても気温の増減と売上が顕著に表れる商品が存在します。気象予報士を狙っている弊社社員が言うには、気象衛星ひまわりも8号になり気象庁の数値予測精度も上がっているらしいです。気象のデータだけではないですが、経験と勘だけでなく様々なデータを活用して、売れる時期に最大限の売りをとれるように積極的に仕掛けていく必要がありますね。

市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
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2019年8月29日 21:03

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