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vol.86 『まんぷく? hungry?』

■朝の連ドラ効果

みなさんは3月末まで半年間放送されていたNHK朝の連ドラ「まんぷく」を少しでもご覧になりましたか?
「人の役に立つ商品を開発したい」という60年前の強い想いが、現在、日本だけでなく世界中で恩恵を受けている「即席麺」につながっていると思うと感慨深いです。
もはや日本にとどまらず、世界で年間1000億食消費される日本発の世界食と言っても過言ではありません。いや宇宙でも食べられています。2005年に野口宇宙飛行士が。

こんな中、3つの現象が起こりました。
 ① チキンラーメンが番組に登場した2月に大きく伸長しました。
     前年割れから、いきなりの前年比234.1%で、継続して3月も勢いは止まりません。
 ② カップヌードルが番組に登場した3月に大きく伸長しました。
     No1商品の前年比130%というのは驚異的ですね。
 ③ 新商品「カップヌードル味噌」が4月1日の発売からわずか10日で生産中止となりました。
     「食べるラー油」ブームの時のように「買えるまで店を回る」という方も多く、TV報道でも
     取り上げられました。

表1)日清:キチンラーメン5P 及び カップヌードル 単品の販売推移
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■新商品?既存品?

今後、増税・値上げ・人口減少などの逆風が待ち受けていますので、売上拡大には今まで以上の対策が必要で、その鍵になるのが各社こぞって発売する「新商品」ではないかと思います。

Plano-POSの「My属性」機能を使い、カップ麺全体を「新商品」「既存品」の2つに分けて分析しました。
Plano-POSでは自分の好きなように属性を付けて、下記のように帳票を出力することができますので便利です。

  ※今回の分析には下記データを使用しました。
   ・分析エリア:RDS全国(100店舗当たりの販売金額)
   ・分析期間 :2018年4月~2019年3月(12か月間)



表2)新商品と既存品の前年比および構成比
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  ※「新商品」・・・2018年3月以前の過去実績を持たない商品
   「既存品」・・・上記以外の商品


カップ麺カテゴリー全体は前年超え(104.0%)していますが、「新商品」が「既存品」の前年割れをカバーしているという結果になっています。
また、新商品の構成比(=寄与度)は18.8%ありました。

この18.8%という数字が高いか低いかわかりませんでしたので、他のカテゴリーでの新商品構成比を調べてみました。それが 表3)になります。


表3)各カテゴリーの新商品の金額構成比およびSKU数構成比
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新商品がどのくらい発売されているかという事を知るため、「新商品SKU数構成比」を追加しました。
カップ麺だと1000SKUのうち、約半分の479SKUが新商品という事です。

「新商品SKU数構成比」において、「カップ麺」と「スナック」はほぼ同じですが、金額構成比では10%もの開きがあります。
「カップ麺」は「スナック」に比べ発売したSKU数に応じた売上が獲れていないと言えます。

みなさんのカテゴリーでも新商品の構成比を調べてみると、新商品提案時の商談が違って来るかも知れません。

■新商品には商圏という新たな切り口を

カップ麺の新商品TOP5をRDSPOSと商圏分析を組み合わせた『商圏POS』を使って、商圏タイプ(今回は年収)別に分析しました。

表4)カップ麺 新製品TOP5
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図1)新商品5SKUの年収別販売構成比
trend86_5.png

「トムヤムクンヌードル」は年収が高くなるほど構成比が高まっている傾向にあるという事がわかります。年収300~500万未満で18.6%であるのに対し、年収1000万円以上では45.4%となんと2.4倍以上の構成比があります。
なので「1000万円以上」の立地の店舗には、「トムヤムクンヌードルをメインで展開した方が売上の獲れる確率が高い」と言えるのではないでしょうか?
「販売チャンスのある商品」を「販売チャンスのある店舗」に展開へ!

この事実を知っていて展開する店舗と、知らないで展開する店舗では、結果が違ってくるのは言わずもがなですね。

新商品を拡販すれば、製配販すべてが特に利益面でのメリットを享受することができ、新商品の動向は自社(品)のみならず他社(品)も注目度は高いと思います。
多大なコストを投下して世に送り出した商品を1個でも多く消費者に届けるために、商圏の切り口を利用すると、もしも全店導入が厳しい場合には「年収1000万円以上の店舗に絞った」提案が可能になります。みなさまの競合メーカーの商品との差別化にもなりますし、小商圏化の昨今、小売業はこのような切り口の提案を求めているのではないでしょうか?

このような商圏POSを活かした提案を是非ご検討お願いいたします。
尚、切り口には今回事例を挙げました「年収別」の他に、「年齢世帯別」「所得別」「立地別」の計4種があり、カテゴリー・商品によって反応する商圏特性は変わります。

市場POS RDSデータを活用することで、市場動向を把握することができます。
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2019年5月13日 15:21

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