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vol.80 『既存品の隠れたニーズでチャンスを掴め!』
ちょうど1年ほど前に、各種メディアでも取り上げられていた粉ミルクの話題を皆様覚えてらっしゃるでしょうか?当時は、高齢者の基礎栄養とカルシウムの摂取補助などの目的で需要が伸びていると話題になっていました。ここ最近また粉ミルクの話を公私共に耳にする機会が多かったので調べてみました。
” 成人飲用に特化した粉ミルク”をPOS分析ツール”Plano-POS_My属性機能”を使い調べてみました。下記 商品一覧にあるような商品をその場でグループ化しその場で分類を作って分析できるのがMy属性機能です。
■成人向け粉ミルク


一目瞭然で、大きく伸張していることがわかります。赤矢印の2017年9月はメディア等でもスキムミルクの成人飲用が広く取り上げられはじめた頃です。脅威の伸張で正直なところ驚きました。
なぜ、ここまで伸びてきているのか、Webサイトやメディアを調べてみると栄養補給のほかに、
1:サプリメントと違い、安心感がある(そもそも赤ちゃんが飲んでいるから)
2:牛乳が飲みたくても飲めないので代替品として(お腹がゴロゴロしてしまう)
3:ダイエットに適しているから(脂肪分が無く栄養価が高い)
4:スーパーフードブームで、高栄養補助食品に関心が高い?
等々のコメントが多く見受けられました。こんな認識を消費者がしているとは、個人的には全く思っても見ませんでした。正直調べてみてなるほど・・・と思った次第です。
上記商品を除く粉ミルク市場を見てみると、直近2年間では下降気味の実績となっており、決して順調とは言えない実績であることがわかりました。(下記図)
■粉ミルク全体(成人向け商品除く)


特に粉ミルクカテゴリの中で一番のボリュームカテゴリである”乳児・育児用粉ミルク”については少子高齢化等の事由によってか大きなダウントレンドになっていることが見て取れます。厚生労働省の発表では2017年度の出生率は94.1万人(推計)と過去最低だそうです。この数値を見ると更に厳しさを実感しました。
■乳児・育児用ミルクと出生人数


成人飲用向け粉ミルクのカテゴリ貢献度は、SKUが少ないにも関わらず、市場全体への貢献度が高いことがわかりました。2017年度では総計で前年比102%です。構成比にいたっては2017年7月と比較すると2倍の14.8%まで上がってきています。これからもより強く行政からセルフメディケーションについては、発信されると思います。スキムミルクの有用性と、単品飲用だけでなく、ヨーグルト等に加える等、他食品にプラスできる利便性を売り場でアピールしてみるのはいかがでしょうか?このまま粉ミルク市場を大きく牽引してくれることを期待したいところです。
■粉ミルクと成人向け粉ミルク:実績推移

■粉ミルクと成人向け粉ミルク:構成比推移

最後に日本人は特に○○が良い!○○に良い!等の言葉に敏感で、直ぐに反応する人種と個人的には強く思います。逆になかなか定着しづらいというのも特徴かと思いますが、三つ子の魂100までと言う言葉があるぐらい、身近なものは受け入れやすくそこに”ちょっとしたプラス要素”が加わることで、新たな価値を見出し、大きな売り上げにつなげられると思います。
この事例をきっかけに、今一度自社の商品や取扱商品の価値を見直して、大きなチャンスを掴んでみてはいかがでしょうか?
2018年8月14日 15:28
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