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vol.78 『リッチと立地の関係は?』
皆さんウイスキーはいかがですか?
以前はハードボイルドな大人の飲むお酒でしたが、ハイボールの一般家庭への普及や、NHKのドラマ『マッサン』のヒットなどで、今やすっかり 定着したカテゴリーではないでしょうか。
齢30半ばを過ぎた筆者もウイスキーを昔は飲めませんでしたが、バーで飲んだウイスキーのお陰ですっかり虜になっています。ウイスキーを調べてみると、シングルモルト・シングルカスク・ブレンデッド・スペイサイド・アイラetc製法や産地の他、ストレート・ロック・トゥワイスアップなどの飲み方、甘いからしょっぱいといった香味などなど非常にバラエティに富んでいます。
最近ではインドのウイスキーもあることを知りました。
そんな奥が深いウイスキーの売れ方について我々の保有する市場データRDSを使って調べてみました。
まずはウイスキー、ブランデー、スピリッツのいわゆるハードリカーの状況を見てみました。
■ハードリカー(ウイスキー、ブランデー、スピリッツ)の状況

ウイスキー、スピリッツともに年間で非常に好調ですが、スピリッツもいろいろ種類があります。
そこで自由に自分で属性を付与できる、『My属性機能』を使用して、スピリッツも各酒類に分けてみました。

スピリッツを確認したところ、構成する商品の大半がいわゆるストロングチューハイの類だったので、今回はそれらを除外し、代表格のジンとウォッカに分けました。
ハードリカーの類は軒なみ成長、特にジンが昨年を大幅に超えてます。こちらはクラフトジンに各社力を入れた結果かと思います。
しかしながら、まだまだ構成比は高くありません。一方で構成比の高いウイスキーは、まだ伸びていました。
では本題のウイスキーについて、My属性を使って、まずは国産と海外に分けて分析してみました。
■国産と海外品の状況

国産も好調ですが、それ以上に海外のウイスキーも好調です。

年間の各月の前年比を見てみても、国産・海外ともに安定して好調なのがわかります。
また各アイテムの上位20アイテムを見てみると…
■国産ランキング

国産では概ねサントリー・アサヒの二社が全体をけん引しています。
■海外品ランキング

海外商品でも軒並み有名なブランドが好調。110%超えが多く見受けられます。
では、これらのウイスキーは他にも何か別の括りで売れ方に違いはあるのでしょうか?
嗜好性の高い商品ですが、実際の売り場にはペットボトルの大容量のものも多く見受けられます。そこでRDSPOSと商圏分析を組み合わせた『商圏POS』を使って、サイズによる違いを見てみました。
■年収と容量の相関

年収が高くなるにつれ、大容量の構成比が低くなっています。また駅前、駅前以外でも容量別の構成比に差異が見られました。
では、それぞれどういった商品が具体的に売れているのかを単品別にみてみます。年収300万円未満と1000万円以上で売れている商品に差はあるのでしょうか?
■年収別のアイテムランキング

色分けをしてみたところ、
以下のような順位のギャップが見られました。

年収が低い属性では大容量の順位が比較的高く、年収が高いと嗜好性の高い商品の順位が高いことが見られます。
■立地条件(駅前立地と駅前以外)


駅前立地では青地の海外や国産シングルモルトなどの嗜好性が高い銘柄が好まれ、駅前以外ではリッタークラスのウイスキーの順位が高いという結果が見られました。
■まとめ
駅前は比較的地価が高く富裕層が多いという点もありますが、近隣住民だけでなく駅利用者が帰宅途中に「おいしいお酒買って帰ろう」といった購入の仕方もされると思います。
逆に帰りに重い商品は買って帰りにくいので、大容量系は敬遠しがちになるのではないでしょうか。
一方、郊外であれば駅前よりも地価は安くファミリーも多い傾向にあると思います。郊外なら自動車の保有も高く重い商品でも購入しやすい、こういった立地背景により売れる商品が違ってくることが予想されます。
お客様のいる場所により、売れる商品が違う傾向が顕著にみられましたので、自社の製品は大量消費?嗜好品?という括りで見て、展開店舗を変えてみてはいかがでしょうか。
POSデータはウイスキーの様に寝かすのでは無く、すぐに分析をした方がよさそうですね。
2018年4月24日 15:17
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