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vol.68『グラノーラを例にしたメーカー別の商品戦略』
2年前にもグラノーラの状況について触れましたが、その後このカテゴリーの状況はどうなっているのでしょうか?再度動向をフォーカスしてみたいと思います。
シリアルの市場は依然堅調に伸びています。
では、シリアルカテゴリーにおけるグラノーラの市場はどのように変化したのでしょうか。
Plano-POSの自分で属性を作れるMy属性を活用して、「グラノーラ」と「その他シリアル」にて比較してみました。
グラノーラ・グラノラ・フルグラ等、グラノーラと判別できる商品名称とそれ以外のシリアルで属性わけをしてみました。
シリアル市場は前述のとおり堅調に成長をしていますが、グラノーラの伸びが大きく、シリアルカテゴリーをけん引していることが分かります。
ではこの好調なグラノーラの市場はどのような商品が全体をけん引しているのでしょうか?
下の表は2016年4月~17年3月までの1年間のアイテムランキングです。
大手3社の商品戦略で比較してみたいと思います。
カルビーは26SKU出現しています。フルグラ800gを主軸に新商品をどんどん投下しています。商品名からメープル、黒豆きなこ、トロピカルなど主にフレーバーに注力した商品を投下している傾向にあります。何より新商品の販売数が他社に比べて圧倒的に多く新商品は15商品、内14商品はフレーバー系の商品でした。新しい商品を次々と市場に投入し、露出を増すことでブランドの認知度を高める戦略ではないかと思われます。
また機能性の商品も1商品投入し、こちらも徐々にシェアが高まっているようです。
次にケロッグ。出現したのは18SKU。主軸のグラノーラハーフを中心として玄米、食物繊維などの機能性・健康志向系の商品を中心に展開している傾向にあると思われます。新商品5商品のうち3商品が玄米となっており、健康に配慮した商品を中心とする戦略をとっているのではないかと思われます。
最後に日清シスコ。23SKUの内大豆、抹茶、芋栗なんきんを中心とした和テイストの商品が目立ちます。新商品は5商品あり、内3商品が和テイストの商品となっていました。
カルビーは多彩なフレーバー、ケロッグは健康志向、日清シスコは和テイストと三社三様のアプローチで市場での存在感をアピールしているのではないかと思われます。
下記のグラフはグラノーラを特長別にまとめたものです。
・機能性:ハーフ、玄米、食物繊維等
・フレーバー:トロピカル、ココナッツ、メープル等
・和テイスト:黒豆、抹茶、きな粉、大豆
・レギュラー:それ以外
15年4月~16年3月と16年4月~17年3月の各属性の実績を比較してみたところ、レギュラー品は年間での昨年対比を達成できていませんが、機能性、フレーバー、和テイストと言った付加価値を付けた商品の昨年対比が大きく上昇している傾向にありました。
各社色々な付加価値を付けることでグラノーラ業界を盛り上げていることがわかりました。
更にメーカー別にどのような商品構成になっているかも比較してみました。
カルビーはメインのフルグラを主軸に徐々に付加価値を付けた商品も投入する事で広範囲にカバー。メインのレギュラー商品以外の構成比も徐々に増えている傾向にあります。
ケロッグは堅調な機能性をメインとし次いでレギュラー品の構成。和テイストと言った商品の構成は少ない傾向にあります。
最後にシスコは和テイスト、レギュラーの順になっており最近で機能性の構成も増やしてきていました。
今回はグラノーラの事例で各社がどういった商品を市場に投入しているかを考察してみましたが、皆様の関心のあるカテゴリーで見てみても新たな発見があるかもしれませんね。
2017年5月24日 13:33
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