vol.57 『値上げラッシュに対抗できるか？フレーバーオイル』

今年に入り、原材料価格の高騰などの影響で食品関連の値上げが相次ぎ、家計への負担を実感されている方も多いと思います。
今回は食品の値上げが相次ぐ中でも、食卓に欠かせない「食用油」の売上状況をみてみました。

食用油　売上累計実績【RDSスーパー全国 2015年1月～5月】

食用油は2015年1月と4月の2回、一部商品の値上げがされましたが、RDS POS 全国スーパーでの食用油全体で見た限りでは大きな影響はなさそうです。そして、食用油全体で占める構成比は低くとも、香味油の売上前年比が大きく伸びていることがわかりました。
香味油といえば、ラーメンや中華料理の香味付けで使われるネギ油が代表的ですが、食物油にスパイス類を漬け込んで風味を移した「フレーバーオイル」も市場に出回るようになり、購入される方が少しずつ増えているようです。
TVや雑誌で「フレーバーオイル」のレシピなどが特集されたり、「ココナッツオイル」や「アボカドオイル」などの美容効果も様々な媒体から広がり、オイルにもこんなに種類があるのか、と注目される機会になっているのかもしれません。

ここ3年間の「香味油」の売上推移を見てみましょう。

香味油　売上推移【RDSスーパー全国 2012年4月～2015年3月】

香味油は2013年3月頃から、ほぼ順調に売上を伸ばしていることがわかります。

香味油（My属性別） 売上累計実績【RDSスーパー全国 2014年6月～2015年5月】

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

「香味油」をさらにMy属性『フレーバー別』という切り口で絞り込み、直近12ヵ月の累計実績をみてみました。
ガーリックオイルは価格の幅も様々で種類も多く、いろいろな食材・料理に使えるということもあり2013年頃から一番売り上げを伸ばしているフレーバーオイルです。最近、ワインショップのようにオイルと並べて売場を設けているスーパーを見かけるようになりました。そのままパンにつけて食べたり、ワインバーやワインバルから流行した「アヒージョ」を手軽につくることもできたり、万能なオイルなのではないでしょうか。
また、比較的高価格でも売り上げを伸ばしているオイルもあることから、合わせる食材などで風味にこだわりを持って購入される方もいるのかもしれません。

　2015年は更に値上げラッシュと言われており、買い物をしながら頭を悩ませる日々が続きそうですが、そんな中で更に新たなオイルが流行するのか、このままフレーバーオイルが順調に売上を伸ばしていくのか、私も実際にいろいろな風味を試してみながら注目していこうと思います。

2015年7月 1日 18:00