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コラム・レポート

vol.35 今やるべきこと

明けましておめでとうございます

皆さん、こんにちは。2011年の出足はいかがでしょうか。気温は冬らしく下がってきていますが、冬物の商材は狙い通りの動き方をしていますでしょうか。景気はというと未だに好転する兆しは乏しく、なかなか楽観できない状況が続いています。しかしビジネスの世界としては、何とか勝ち残る手立てを考えなくてはなりませんから、言い訳や泣き言を言っていても仕方がありません。なんとか数字を作る為の知恵を絞らなくてはなりません。
一方、小売業も決算時期になり、メーカー、問屋の皆さんには、毎度のことながら厳しい要求が来ていることと思います。多少の好不調はあるものの、絶好調といえる業種、業態がない中、どの企業と連携を深めていくか重要な選択となるでしょう。

今やるべきこと

この先行き不透明な中、今何を優先するべきでしょうか。私は2つのことが重要ではないかと思います。一つ目は、戦略の見直しと明確化だと思います。目先の数字の確保も当然ながら重要ですが、いったいこの先どの土俵で勝負を掛けていくのか、小売りに対して何を自社の強みとして打ち出していくのか、しっかり見定めるのが今ではないかと思います。
戦略といっても経営者レベルの小難しい戦略ではなく、ご自分が担当されている商品、カテゴリー、相手先に対する提案の仕方についての戦略です。例えば、ご担当の小売業がメインターゲットとしている顧客層はどの層なのかをもう一度研究し、その顧客層のライフスタイル、生活パターンを整理し、今までと違う提案内容を考えてみるということです。何故かといえば、私がマーチャンダイジングの現場で最近強く感じることは、今までそれほど力を入れていなかったグルーピングの商品でも売り方や売場づくりを変えることによって、売上が伸びるケースがあり、売れているものが以前とは変わってきていることを実感するからです。全体的には数字は悪くとも、一部の商品では前年の数字を大きく改善している商品も幾つかあるのです。そういう商品群をいくつ作れるかによって、カテゴリーの収益構造も変わってくるはずですから、過去の成功にとらわれないやり方を提案することが重要ではないかと感じるからです。
buyer0035_1.jpg さらにそこから52週MDの見直し、再構築まで進んでみてはいかがでしょうか。年間の季節ごとの強化品種カレンダーを見直してみることによって新しい提案ができるようになります。しかし見直しのためには、お客様の消費性向がどのように変わっているかの研究し、精査することが前提となります。
またご担当の小売業が定期的に行うセールス、例えば○曜日の特売、○○デー、○の日などといった売りの仕掛けであるとか、ポイント○倍の日とか、大きく集客される日を狙った企画の提案なども必要だと思います。私の会社でも、そういう日は以前と比べものにならないほど売上構成比が高くなっています。土曜日並みの売上を示す日もありますので、バイヤーとしてもそこに向けての販売計画を大変重要視しています。ですから担当小売業の売りのピークがどこにあるのか今一度確認が必要です。
いずれにしてもカテゴリーの戦略見直しは必要です。戦略やビジョンが不明確であることは成長がないことを意味します。

マーケティングって

もう一つは、マーケティングの見直しです。マーケティングについては色々な賢者が様々な定義をしていて、何が正解かは私もよく分かりませんが、昔からよく4P(Product, Price, Place, Promotion)が重要といわれていますが、最近はPBもあれば、PositioningもあるしPackagingもあるので、今までの教科書では通用しなくなってしまった感があります。またマーケティングとは差別化を作ることだと訴える本もありますが、最近は売れている商品にほかの商品も寄り添っていく傾向が強くて、マーケティングの結果が同質化、均質化になってしまっているような感じを受けます。ですからここでもう一度マーケティングの意味を考え直して、同じ用途の商品でも何か突き抜けた機能をもった商品、あるいはそれをお客さまにアピールできる売り方が必要なのではと感じています。
buyer0035_2.jpg NB商品が同質化、均質化してしまうからこそ、トレードオフされたPBが消費者から支持されたりするのではないでしょうか。しかしそのPBも最近は世にあふれかえり、どうやら作ることが目的になってしまったような小売り、PBも見受けられます。これではせっかくのPBの存在価値は半減してしまいます。ですから、マーケティングによって特定の機能や効能において特出したNBの役割が必要になるのではないでしょうか、
とはいえ今から新製品の開発をしていてはスピード感で他社に負けてしまいます。ですから今手元にある商品の機能や品質を再確認し、他社製品との違い、それがお客様にとってどのように良いものなのかを売場から発信できるように整理整頓し、商談、提案に活用してみてはいかがでしょうか。
あるいは、商品そのものに差別性が見受けられないのであれば、日本ではまだ一般化していないFRM(フロアレディマーチャンダイズ)、SRP(シェルフレディパッケージ)等に取り組み、小売り側の効率改善に一役買うというのもいいのではないでしょうか。但し単品で効率化ができても小売り側にとっては、あまり御利益は感じられませんので、商品群、シリーズ全体でSRPを考え、ゴンドラ1本分ぐらい提案できるように、真剣に取り組むことが重要と考えます。

今回は考え方的な内容の話になりましたが、重要なことは、新たな価値創造なくして生き残りはない、ということです。価値創造なんて仰々しい表現ですが、日々の仕事や生活の中にもたくさんヒントは転がっているはずです。まずできることから始めてみませんか。きっと良い結果が出ると思います。
頑張りましょう。

2011年1月31日 13:30

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