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コラム・レポート

vol.34 目標による管理

皆さん、お元気ですか? いよいよ2010年が終わります。ふり返って皆様にとってどのような年だったでしょうか。私個人的には非常に忙しく充実した年でした。新しいミッションもいただき、新しいことにも挑戦し、少しずつ成果も現れてきているので、自分なりには75点ぐらいはつけられる年だったかなと思っています。とはいえゴールの先にはまたゴール。当初設定したゴールはただの一里塚に過ぎなかったりするものです。まさに終わりなき戦いに近いものがあります。改善、改善の連続です。

昔読んだ本(タイトルは忘れてしまいましたが)の中に『目標による管理』という言葉が出てきて、すこし目から鱗状態になったことを覚えています。つまり簡単に言うと、数字であろうと、状態であろうと、いついつまでに、あるいはいつの時点には、ここまで達成しよう、こうなっていようという目標を立て、そこから逆算するようにして、いつまでにここまでたどり着く、ここまでやり遂げるというマイルストーンを決め、それを実現するための作戦をたて、あわせて進捗管理をきちんとすることによって、当初立てた目標を確実に達成しようという仕事の進め方です。
また最近私の周囲でよく聞く言葉に中期計画、3カ年計画という言葉、それを達成するためのブリッジチャートとかいうのを耳にします。要は少し長いスパンで仕事の計画と目標を立て、それを年度ごとの達成目標にブレークダウンして管理する手法が多くなってきているようです。これは非常に良い傾向だと思います。

皆様も目の前の課題(目先の仕事)に対処することに注力しすぎて、自分がどっちの方向に向かっているのかわからなくなってしまった感覚に陥った経験を少なからずお持ちでしょう。さらに運の悪い場合は振り返ったら自分ひとりだった、というような経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
buyer0034_1.gif 日々のバイヤーとの商談にしても、バイヤーから与えられる宿題・課題にどう応えるかということが仕事のすべてになるより、自分がやりたいことをバイヤーにぶつけて喧々諤々前向きな議論を交わすほうが、どれほど面白いか。勿論楽をしようと思えば相手から言われたことを如才なく確実にこなしていれば、そこそこの評価は得られるでしょうが、より高い達成感を得ようと思えば、自分が何をしたいのか、何を実現したいのか、自分の中でイメージしたことを実現するに越したことはないでしょう。
その為には中期的な目標を決め、進捗管理する『習慣・行動』が必要になってきます。
仮にあなたが今担当している企業、カテゴリーを、3年後にどのレベルまでもっていきたいか考えてみてください。どのレベル、というのはあくまでチャレンジングな目標で構わないと思います。絶対値の目標が立てにくかったら同僚や他の得意先との比較における目標でも構わないと思います。3年後にはあそこ(あいつ)の企業と同じレベルか追い越して№1になる、という少し闘争心が見え隠れするような目標設定が望ましいでしょう。毎日忙しい中でそんなことをのんびり考えている時間はないと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、1日20分考えれば3日で1時間、2週間で約5時間考えたことになりますから、メモかノートを携えて思いついた目標をどんどん書き出してみてください。
3年とはいわず、もう少し短いスパンでも目標が見えたら、節目々々での「あるべき姿」=マイルストーンを決めましょう。マイルストーンごとの目標が楽勝かちょっと頑張れば出来そうか、かなり難易度が高いか判断できるかと思います。楽勝だと思ったら、次のマイルストーンの難易度がいきなり高くなっていないか、あるいは最初に立てた将来の目標のレベルが低すぎはしないか考え直してみてください。少し難易度が高いくらいがちょうど良いのではないかといます。なぜならその目標は今まで通りのやり方では決して達成できないでしょうし、何かを真似る、応用する、知恵を絞るかしないと自分には達成できないからです。
取り組みを進めるにあたっては、進捗状況と目標までの道筋とに乖離がないかを毎週、毎月チェックして、その乖離を発生させている要因が何であるか把握し解消、排除することも忘れてはなりません。

若かりし頃に、行き詰った時には、①手順を変える ②方法を変える ③ルール(決まり)を変える の3つを実行してみろと習ったことがありました。これは日常の業務で使えるものですが、商品構成や売場を変えていくことにも使えそうです。例えば、通常の商談の流れを変えてみる、単品商談、プロモーション商談、棚割商談、差し替え商談など色々とあると思いますが、今までの流れと違うやり方で提案してみる、また商談資料の作り方や内容を変えて提案方法を変えてみる、暗黙知として決まっていたやり方、仕組みを見直し変えてみる等してみると非効率の解消に繋がるかもしれません。

ともあれ重要なのは、目標を達成するためのサクセスストーリーを描くことです。このストーリーでは現在の現実を直視しすぎてはいけません。なぜなら現在の自分という制約を前提に考えてしまうと打ち手や方法論が限られたものになってしまうからです。使える物(者)は何でも使う、自分は妄想上のプロジェクトリーダーでこのストーリーの中心人物ということにしておけばよいのです。で、ストーリーが出来上がったら冷静に見直してみて、このストーリーで欠落している登場人物、道具、知識、技術は何かを洗い出してみてください。それらを出来るだけ早い段階で準備し、そろえておかないと目標は達成できないことになります。

目標を持って取り組む、当たり前のようですが、2011年からは今月、今期というような短期の目標に加えて、来年の今頃は・・・、3年後の今頃は・・・、という少し長めの目標設定と、そこにたどり着くまでのストーリーを組み立ててみませんか。それができれば今の立ち位置と目標とのギャップがわかり、自分自身の行動指針が立てられます。ヒンズー教の教えの中には、

buyer0034_2.gif 心が変われば、態度が変わる。
態度が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。
運命が変われば、人生が変わる。

という言葉があるそうです。心を変えるためにはまずは明確な目標を見定めることです。

さぁ2011年、皆様の飛躍の年とするために、まずは今までにない目標を立ててみましょう。

2010年12月27日 13:20

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