コラム・レポートのアイコン

コラム・レポート

vol.22 年末年始

 皆さん、こんにちは。

 さていよいよ年末年始到来ですが、今年の年末年始は一般企業様にとっては比較的短い連休となるのでしょうか。
 小売業はもちろん年末年始は稼ぎ時ですから、特に今年は業績が伸びずに悩んだ企業が多かったので、色々な仕掛けをしてその分大忙しとなるでしょう。いや、忙しくなってほしいものですが、昨今の経済状況を考えると仕掛けが『不発』となる可能性も大いに秘めているので、不安な要素はぬぐい去れません。
 とはいえ、時間はどんどん経っていくので、ただ悩んでいても何も解決しません。年末年始も時間を有効に使って、次の一手のヒントをつかむことに注力しましょう。

 年末年始に注意しなくてはならないことは前回も少し触れましたが、何よりも大切なのは店を見て回ることだと思います。時間のある限り、今年話題になった店舗、業態、また担当企業の競合となるチェーンなど、普段はなかなか足を運べない所を中心にチェックしてみることをお勧めします。そこから得られるヒントや自分たちが気付かなかった企画、売り方などをチェックしてみると、次の春夏以降の企画に役立てられることもありますし、対策も立てやすくなると思います。もし、どの店舗を回ったらよいかわからない場合は、業界誌を読み返してみるか、担当バイヤーからアドバイスをもらってみてください。できればバイヤーに代わって競合の売り場状況をチェックし報告してあげれば喜ばれること間違いなしです。(勿論、ご自分のためにもなりますので)

来期ぜひやりたいこと

 さて節約ムード、生活防衛の昨今ではありますが、個人的には少しでも現状を打開するために次のことを早期に実施してみようと思っています。

1.苦しき中にも数値改善している企業の徹底訪問
 具体的な企業名は申し上げられませんが、今年前半、後半にそれぞれ業務改革によって営業利益の改善を成し遂げた小売業があります。それらの企業を徹底的にストアコンパリゾンし、話で聞いたこと、人から聞いたことを検証してみたいと思います。
 ある小売業では、会社全体の人員配置、オペレーション改革によって、長い間営業利益がマイナスだったのを、単月では黒字に転換できた小売業がありました。ちなみにローカルの食品スーパーです。
 また、あるドラッグストアでは時流に合わせた店舗運営を実施して、売上を見事に伸ばしているとのことで、実際にこの目で見てみたいと思っています。長時間滞店してその店舗運営のノウハウを少しでも学んで、自分の担当範囲に役立てるように工夫をしてみるつもりです。 食品スーパーやドラッグストア、またはアパレル等の異なる業態であっても、話題になった店舗は積極的に訪問し、良いところを学んで、自分の担当範囲に引き寄せて活用できるものはないか考えてみることが重要だと思います。

2.小分類レベルの数値分析を再度実施
 今年の営業実績は伸び悩み、さまざまな仕掛けをしつつも結果として利益を落としてしまっただけ、という一年でした。
buyer0022_1.jpg  ここまで苦戦をすると、今までのようにカテゴリーレベルで分析、仮説立案、戦術立案していても、なかなか真実が見えてきません。もっと深く入り込んで、小分類レベルでのポジショニングを見直さなくてはならないと考えています。
 具体的には、それぞれの収益性、PI値、市場データ(なかなか小分類では捉えにくいですが)、家計支出調査などを比較、評価して、それぞれの既成概念や制約と思っていたことを見直してみたいと思っています。そこから今まで手をつけていなかった品種品目を見つけ出して、新しい仕掛けを考えてみたいと思います。

3.CDTの見直し
 上記のステップを経て、さらにもう一度お客様視点で見たときに、売場のどこに不具合があるのかを検証するためにCDT(コンシューマーデシジョンツリー)を見直し、再作成してみたいと思います。 そして、欠落した品種品目はないか、必要以上にSKU数を抱えているところはないかを再チェックしてみます。

4.商品構成グラフの見直し
 上記2つのステップの後、競争力ある価格体系を作るために商品構成グラフを再構築したいと考えています。今年、お客様から支持を得た企業の価格体系、プライスポイントを調査して合理的で説得力ある価格体系へと見直しを図るのです。
 おそらく、メーカー様の視点では『適正価格』というプライスラインがあると思いますが、現状の商品の売れ方、チラシや特別な理由で値引き割引をしているときの売れ数を鑑みると、やはりお客様視点のプライスポイントは明らかに左寄りになってきていると判断せざるをえませんし、無駄遣いをしない(何をいくらの時に買うかという傾向)消費行動が定着してきているように考えられます。
 ですから、メーカー様を始めとしたお取引先様には、きちんと背景や理由を説明して理解と共感を得ることから始めなくてはならないだろうと考えています。正直これは骨の折れる作業ですが。

 またご協力いただけるお取引先様とは、留め型商品(PBではないが専売商品)を作り込んで、利益率の改善にも取り組む必要があるかとも思います。各社でのPBの進化に伴い、PBだけでは戦いづらくなってきているということです。ここからまた新たなPBのヒントを見つけていくこともできるでしょうし、メーカー様にとってもリスクが少なくなるように取り組みを継続することも重要でしょう。

buyer0022_2.jpg

 いずれにしても、日本の景気いかんではありますが、食品、生活用品は必ずどこかでお客様はご購入されているわけですから、お客様から一番に選ばれる売場、品揃えとは何かを今まで以上に真剣に検討し、トライアンドエラーの気持ちで挑戦し続ける一年になるのではないかと予想しています。
 皆様の担当カテゴリーにおいても同様かと思いますが、少しでも次のステップにつながるヒントが早い段階で見つかることをお祈りしています。

では、頑張りましょう!


2009年12月21日 12:52

お問い合わせ

    • ご購入前のお問い合わせ   :
    • 03-6908-7878
    • 保守契約に基づくお問い合わせ:
    • 03-6908-7817

受付時間 9:00-18:00
(土日祝日・年末年始・当社休日を除く)

ページトップへ