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vol.32 『今冬の鍋トレンドは?』

 天候不順の影響もあってか、9月に入り早くもスーパーのめんつゆコーナーが、一斉に鍋用つゆコーナーへシフトしていました。

 昨年は景気減速の影響もあってか、大きく前年を上回った鍋つゆ市場ですが、今年はどうでしょうか。JICFS/IFDBの登録日から今年発売された新商品をピックアップし、今年はどんな風味の鍋が来るのか?鍋トレンドを占ってみました。

 まず今秋発売の商品ということで、5月1日~9月15日までの間にJICFS/IFDBに登録されたつゆカテゴリーの商品の内、商品名称に「鍋」と付く商品をピックアップしたところ100品が該当しました。同じ期間で昨年を調べたところ65品が該当しました。新商品数だけ見ても、今年は昨年の約1.5倍です!メーカー各社の鍋つゆカテゴリーへの注目の高さがうかがえます。

 さらに、ピックアップした商品を風味別に分類してみたところ、昨年と比べて、ちゃんこ、キムチ、寄せ鍋といった鍋つゆの主流ともいえる風味で新商品数が伸びているのが目立ちます。

図1 風味別、新発売商品数比較(2008年、2009年JICFS/IFDBより)

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 新商品全体に占める各風味の割合をまとめてみました。昨年はちゃんこが15%と最も多いものの、カレーが11%を占め、キムチと寄せ鍋を抜いて2位でした。また、塩味が寄せ鍋と並んで3位、という状況でした。

 今年は、ちゃんこ、キムチ、寄せ鍋の3つで50%を占めており、カレーは寄せ鍋の次に多いものの9%、塩味は3%にとどまっています。SKU数を絞る店舗が増える状況もふまえて、少しでも陳列の機会を増やすためにもメインの味で勝負する戦略がとられたということでしょうか。

図2 風味別、新発売商品数割合(2008年、2009年JICFS/IFDBより)


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 今年の新商品に占める割合が最も高いちゃんこ鍋をさらに詳しく見たところ、なんと24商品中13品が「塩ちゃんこ」または「塩味」でした。他は醤油味が2品、残り7品は特に表記なしです。ちなみに昨年は10商品中、塩味3品、味噌3品、醤油1品、表記なし3品でした。今年はちゃんこ鍋中、半分強が塩味となっており、昨年と比べると大幅に増えています。

 塩ちゃんこが増えた理由としては、ここ2~3年で、塩ちゃんこを出すお店が増えて認知度が高くなったことや、塩キャラメルや塩チョコなど、一連の塩ブームの一つなどが考えられます。今年発売される新商品の中では、「塩ちゃんこ」が今年のトレンドといえそうです。

図3 ちゃんこ鍋新発売商品内訳 (2009年JICFS/IFDBより)

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 塩ちゃんこ以外では、今年初登場と思われる麻婆鍋や、NBの強みを最大限に引き出した、カゴメ「甘熟トマト鍋」、黄桜「かっぱの酒粕鍋つゆ」も気になる商品の一つです。

 景気の回復が足踏み状態であることから、今秋以降も内食化の傾向は続くと思われます。いくら鍋料理が美味しくとも、続くと飽きてしまいがちです。定番に加えて、今年の新商品のトレンド、塩ちゃんこ鍋や、特徴のあるNB商品もぜひ品揃えしてみてはいかがでしょうか。

今回使用したデータはJICFS/IFDBを用いて作成しています。
JICFS/IFDBは(財)流通システム開発センター/流通コードセンターが収集する、食品・日用品を中心とした国内最大級のJANコード付商品情報データベースです。
(株)マーチャンダイジング・オンでは、月額30,000円という格安料金にてJICFS/IFDBの新製品情報を、ご提供しております。

2009年9月17日 13:30

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