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コラム・レポート

vol.16 小型店舗への対応

 皆さん、こんにちは。
商いの環境は未だ厳しい状況ですが、頑張っていらっしゃいますでしょうか。
 日本チェーンストア協会の発表でも、09年2月の販売動向は、前年同月比で90%台、前月比では食品80%台、日用雑貨・化粧品類では70%台と、大苦戦の様相を呈しています。
 ただ苦しい状況の中でも知恵を絞り、何かを学び取り、次に光がさしてきたとき役立つように、惜しまず努力を続けましょう。

 さてそんな中、小売業の中でまた新たなチャレンジが静かに始まっています。
 小型スーパーマーケットとディスカウント型スーパーマーケットの展開です。
 双方とも価格競争力に主眼を置いた新型フォーマットと考えるべきでしょう。
つまり必要最小限のスペースに必要最小限の品揃え(不要、不振在庫のリスクを軽減)をし、商品の陳列や発注などのオペレーションコストを極小化して販管費率を低減して、さらに売価低減の原資として投入していくという戦略が背景にあります。つまり商品を絞り込み、高効率の店舗運営を目指した店舗といえるでしょう。

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 小売業にとって収益性の改善、向上は至上命題です。高効率店舗はそのソリューションのひとつとして出した答えです。
 皆様も、小売業での効率を知るためのキーワードをいくつか知っておきましょう。

■ 在庫日数={(期首在庫高+期末在庫高)÷2}÷(売上高÷営業日数)

 平均在庫を1日当り売上で除した数値で、何日分の在庫が手元に存在するかを表します。少ない在庫で効率よく売上を確保することはどこの業界でも同じですが、小売業ではストレートに利益に反映するので要チェックの指標です。(在庫には金利がかかります)

■ 回転率={期中売上高×(年間営業日数÷期間中営業日数)}÷{(期首在庫高+期末在庫高)÷2}

 手持ちの平均在庫が売上を作るために何回転したかを示す指標。回転日数で表現する場合もある。簡単に言えば、平均在庫50万円で1ヶ月に100万円売り上げたとしたら、回転は2回転、回転日数は15日ということになります。回転率は当然高いほうが良く、回転差資金を生み出すことができます。但し、途中品切れが発生しては意味がありませんので要注意です。

■ 交差比率=商品回転率×粗利益率×100
(=(荒利益高÷売上高)÷(売上高÷在庫高)=荒利益高÷在庫高)

 各部門を相対比較してどれぐらい効率的かを計る指標。高いほどよい。相対的に優位な部門、カテゴリーはスペースの拡大、品揃えの拡充をすることにより店舗全体の収益性が高まります。新店のレイアウト、店舗の改装のときには必ずチェックが必要です。(「貢献度比率」=交叉主義比率×売上高構成比)

また小売業に限ったことではありませんが、人の生産性を管理する指標も知っておく必要があります。

■ 労働生産性=粗利益高÷従業員数(または労働時間)×100

■ 労働分配率(%)=総人件費÷粗利益高×100
粗利益に対する人件費の割合

 これら数値の向上を目的として、小売業では精度の高いオペレーションを実現するために色々な取り組みをするのです。ですからメーカーの皆様が小売業に提案をするときにもこれら効率指標を盛り込んだ提案内容にすると喜ばれる場合があると思います。

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一例として・・・

①陳列しやすい売場;

販売量と在庫量のバランスがとれて適正なフェーシングとなった売場。陳列時間の短縮、バックヤードと売場の往復時間の削減、在庫過多の防止などに効果があります。
SKUの絞込みも効果的なアクションとなります。

②発注単位の見直し;

適品適時適量を実現して、在庫削減、労働時間の削減効果を狙います。

③陳列什器やマテハン機器の改善;

より品出しや陳列を短時間で完了でき、しかもお客様目線で視覚効果のある什器の開発が必要です。

④値札やPOPの見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・等々

 こうすることによって、より小売業目線の提案書を作成することが出来るでしょう。
 但し、小売業のためだけの提案ではなく、WIN-WINの関係を構築できる提案書に仕上げなくてはならないので、ここは知恵の絞りどころです。

皆さん、がんばりましょう!

2009年4月20日 15:07

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