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コラム・レポート

vol.15 今、マーケティングが重要

 皆様、2009年年明けのスタートダッシュはいかがでしょうか。
 昨年後半から仕事を取り巻く環境はひどい状況となっていますが、2009年はどのような年になるのでしょうか。

 この経済環境の厳しい中、流通業界でもいろいろなことが起こり、またいろいろなことが始まりだしました。業界の構図も変わりつつあります。

値上げラッシュと生活防衛;

原材料価格の高騰による製品価格の値上げが続く中、小売業では消費者代位機能として、インストアプロモーションによる生活防衛策を打ち出してきました。

PBの存在感;

大手小売業を中心として、プライベートブランドの発売が相次ぎました。各製品の品質も高まり、値上げ基調の中、お客様から支持を受け、08年はPBが今まで以上に定着したような感があります。

ディスカウント業態の台頭;

圧倒的な安さとローコストオペレーションを武器に、今までは基調に乗りづらかったディスカウント業態がメジャーのステージに上がってきました。

小型DSスーパーの開発;

セブン&アイ、イオンでそれぞれ都市型生活密着型のディスカウントスーパーを始動させました。大型店の出店が厳しくなる中、これからの主軸になる可能性を秘めています。

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電子マネーと販促の連動が本格化;

地域通貨としての電子マネーが本格的に認知され、そのポイントと絡めた販促が新たな拡販の手法として広がってきました。今後の伸びが期待されます。

 これらのことは近い将来に必ず対応をしていかなくてはならないことなので、今のうちからその方法論を固めておくことは重要だと思います。
 しかし、今現在の、目の前の課題を放置しておくわけにはいきません。日々皆様も数字を背負って仕事をしているのですから、今を乗り切る対策を考えることも最優先で考えましょう。苦しい環境ですが、ただ悲観的になっているだけでは状況は改善しません。
 こんなときこそ、環境分析をきちんとやって、製配販で知恵を出し合い、新しい取り組みを進めてはいかがでしょうか。

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 では、環境分析とは、どのように進めればよいのでしょうか。
 書物やインターネットにはいろいろな方法が掲載されていますが、学術的なことはさておき、実務者は即効性のある方法を採用すべきです。
 とはいえ、基本的な部分を見逃しては間違った評価をしてしまうので、簡単にステップをまとめてみました。

ステップ1- 担当企業(客先小売業)のメイン競争相手を調査しましょう。

 まず皆様の担当企業様と直接的に戦っている小売はどこなのか、そこはどのような強みを持ち対抗してきているのかを把握しましょう。
消費が冷え込んでいるとは言え、日本の胃袋の数が減っているわけではなく、外食産業も好調といえる状況ではなく、客単価は下がっているものの、どこかで購買しているわけですから、まずはシェアをあげることを考える必要があると思います。

ステップ2- 自社製品の強み弱みを再度整理してみましょう。

 ここまで業績、数値が下がってくると、小売の現場も販促合戦、安売り競争の様相を呈してくるのは簡単に想像がつきます。
また在庫リスクを減らすため、取り扱いSKU数の削減、販促品目の絞込みを実施してくるでしょう。
商談の場面にそれが話し合われるようになったときのために、自社製品を残すための説得力を再度構築しておくことが大切だと思います。

ステップ3- 相手先小売業の最優先課題を知りましょう。

 一口に業績が苦しいといっても、もちろん売り上げが伸び悩んでいることは事実ですが、その要因が何なのか、それを解決することが重要です。
売り上げというのは、あくまで結果であり、それを作るためのプロセス、要因を調べてみる必要があるということです。
売り上げは以下のように分解することができます。

売上 = 客単価 × 客数 = (平均単価 × 1客当り平均買上点数)× 客数
それぞれの構成要素が下がっている原因を考えれば、有効な手段を打ち出すことができると思います。

 たとえば次のように考えてみてはいかがでしょうか。

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ステップ4- 自社製品の邪魔をしている商品を確認しましょう。

 こんな時期ですから少ないとは思いますが、新規参入してきた商品はありませんか。また自社製品の代替品となる商品は店頭でどのように扱われているか、調べてみましょう。
自社がさらに努力しなくてはならない分野が見えてくるかもしれません。

これらのことを普段の商談にプラスして、かつPOS分析、棚割分析を進めて、今取るべきアクションを提示していきましょう。

一例として、

商品構成の見直し

  • プライスゾーン、レンジ、ポイント、オープニングプライスの見直し
  • 死に筋の排除、商品の絞込み(POS分析)
  • 関連商材の発掘(利用シーン発想)
  • 棚割の見直し(フェーシング、陳列位置)

顧客ニーズの把握(マーケティング)

  • 業態、店舗のターゲット顧客を確認
  • エリアMD視点でのマーケティング

などをアクションプランに加えてはいかがでしょうか

皆様のご健闘をお祈りします。

2009年1月26日 13:36

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