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コラム・レポート

vol.7 人事異動の季節です

みなさん、こんにちは。
暦も5月に入ろうとしていますが、皆様のカテゴリーでは春夏の品揃え、売場変更はお済みでしょうか。気温の上昇とともに売れ筋商品も右肩上がりで売上が伸びてきますので、出遅れの無いように注意しましょう。

さて、春夏の品揃え変更とともに小売業では人事異動の季節です。

担当バイヤーが異動となった皆様も結構いらっしゃるのではないでしょうか。メーカーの営業マン、特に一生懸命売込みをかけていた途中の方々にとっては、バイヤーの異動はショッキングな出来事だと思います。

今まで仕込んできた事が、きちんと引継ぎされるか、また次のバイヤーにも理解されるか、非常に不安だと思います。たまたま引継ぎが上手くされていない状況にはまってしまった方々は残念としか言いようがありませんが、今後同じような状況にならないために、どのような方策を立てておくべきか、小売業の立場から、少しアドバイスをしてみたいと思います。

書面で取り組みの記録を残す

取り組みを進めるにあたって必ず必要になる事は、文書で推移やステータスを残しておくという事です。

取り組みを始める前には必ず提案、プレゼンテーションというものがあると思います。その提案内容がバイヤーに受け入れられて初めて、共同取り組みが始まります。

しかし、その企画内容が受け入れられたからといって、資料作成をそれだけで終わらせてはダメです。普通に考えれば、提案⇒スケジュールの落とし込み⇒具体的な実行計画⇒進捗管理・・・といったように取り組みの推移をステップに沿って(日付を入れて)管理していくことが大切です。

そしてその書面には、その都度バイヤーから提示された指摘事項やリクエストを記載して、合意済みの内容として書面化しておくことが重要です。 後から、『言った、言わない』というやり取りをする事ほど時間の無駄はありません。また冒頭に記しましたように人事異動でバイヤーが代わっても、取り組みの推移や合意済みの内容であることを具体的に説明できるようにするためにも書面で残すようにしましょう。

バイヤーとは信頼関係で結ばれているのだから、そんな事をいちいちしていては失礼だし、相手に嫌がられるのでは・・・と思われる方もいらっしゃるかもしれません。私も性善説、性悪説で人間を語るつもりはありませんが、やはりこれはビジネスですので、記録やお互いの発言内容はきちんと残しておくべきと考えます。反対にこのような記録があったおかげで、双方の信頼感も強まる方向に作用する事もありますので、習慣として文書で記録を残す事を心がけましょう。

定量的に検証結果を残す

定量的に物事を捉えることは重要です。売上の推移や販売点数、スペース効率など取り組みを始めるときに、何を改善するために取り組むのかということを決めているはずですから、それらの項目がどのように変化しているか、数字で記録を残す事をしてください。

それ以前に、取り組み開始時点で当面のゴール(目標)、スケジュールなども決めているはずです。その達成状況や遅延状況なども数字で押さえ込みましょう。

そういった数字が残っていれば、バイヤーが代わっても取り組みが中途半端に頓挫する可能性も少なくなるのです。

また幸いに進捗の結果がよいものであれば、引き継ぎ間もないバイヤーは、他にもやらなくてはならない事が沢山あるので、取引先様の考えや言葉に賛同してくれるケースも増えるでしょう。

上司と上司を引き合わせる

私の経験でも、商談で営業の方が上司をお連れしてご挨拶を・・・といった場面が多々あります。
しかし上司の使い方(チョット失礼な言い方かもしれませんがご了承ください)として有効なのは、バイヤーの上司と皆様の上司を引き合わせて、表敬訪問でもかまいませんので、面識を確保しておく事です。

これは反対の立場でも私が使う手段です。上司がお互いに面識があると、難題に直面した時に双方にとって有効な解決策を導き出してくれる事もありますし、営業対バイヤー(個人対個人)の関係だけでなく、会社対会社の関係で課題を解決してくれる事も出来ますので、上司同士の関係作りも必要です。

また冒頭に記しましたように、人事異動があったときなどお互いの上司が後ろ盾となってくれて、取り組みが足踏みしないように計らう事も可能でしょう。

さらには取り組みの途中経過を報告する際、双方の上司同席の進捗報告会を設置しましょう。これによって取り組みは個人レベルの取り組みではなく、会社レベルの取り組みとして持ち上がり、店舗での実施率を上げることにも一役買うような効果も生まれます。

進捗報告は少なくとも四半期に1回は出来るように計画しましょう。ある意味、この報告会に向け、成果が報告できるように努力するようになりますから、一つのマイルストーンとして位置づけておけば、取り組みの内容もそれなりに濃いものになっていくはずです。

またその報告会が内容のあるものになっていけば、お互いの上司は色々な方向性を示してくれるようになるはずです。個人と個人で取り組みを進めていると、どうしてもやりやすい方向に進みがちで、視野が狭くなる危険性があります。その傾向が強くなると、本来やらなければならない事からズレが生じますので、そこで上司からの軌道修正をもらうことによって、正しい方向に進んでいけるのです。

流通業は社会、生活の環境変化に合わせて、新たな改善課題が生まれてきます。「ここまで出来たら当分OK」という状況にはなかなかなりません。

取り組みは1つ終わっても、また新たな課題が見つかります。言い方を換えれば、継続しなくては取り組みにはならないのです。

継続するためには、今回述べさせていただいたような事を日常的に実践して、個人対個人のレベルの取り組みにするのではなく、会社レベルの取り組みに昇華させてください。そうすれば必ず売場が変わり、お客様、消費者の生活に変化を与えられる事が出来るはずです。

頑張りましょう。

2006年4月17日 16:34

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