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コラム・レポート

vol.4-1 サブカテゴリー単位の品揃えの落としこみ方(前編)

みなさん、こんにちは。ご無沙汰してしまってスイマセン。

今回は、前回の続きのステップとなる「サブカテゴリー単位の品揃えの落としこみ方」について、小売ではどのような考え方でそれを実施しているのか、説明してみたいと思います。

皆様が品揃えの提案をするときの参考になれば幸いですが、いつも申し上げているように、相手先小売業の方針や戦略、バイヤーのキャラクターにもよってアプローチの仕方は異なりますので、その点はご容赦願います。

☆☆ ステップ2 ☆☆

ステップ1でカテゴリーの全体像、方向性が見えてきたら、次はカテゴリーを構成するサブカテゴリーをどのように構築するかを考えなくてはなりません。
このステップは意外に重要です。皆様も一緒に知恵を絞っていただきたいところです。

何故サブカテゴリーの構築が重要かというと、品揃えされるSKU、SKU数、棚割の中でのスペース配分、全てがサブカテゴリーの構築の仕方に影響を受けるからです。
ですから、サブカテゴリーは品揃え計画を考える段階で、必ず毎回見直しをかけなくてはなりません。

サブカテゴリーをどのように構築するかは、例えばカテゴリーマネジメントの考え方で言えば、「CDT(コンシューマーデシジョンツリー)」という、お客様が商品を購買する意思決定要素なるものを整理し、そのカテゴリーにどのような期待や観点を持っているかを洗い出す事が大切です。

しかし多くの場合、このお客様視点の商品区分は、「あいまい」な表現になりがちです。「甘い」とか「辛い」とか、バイヤーはそう思っても、食べる人によって感じ方は違うでしょうし、もしバイヤーが交代したら、同じ商品でも区分されるCDTが変わる可能性もあります。ですからお客様を知るという意味では、 CDTで考え整理するという事は重要なのですが、なかなかサブカテゴリーの構築に使うには難しいようです。

ですから、その商品が本来持っている、機能、用途、味、特徴、パッケージ、素材、成分など属性で分類し、サブカテゴリーを見直すということも十分ありえますし、通用すると思います。
要は客観的に大部分の人たちが納得できる商品の切り分けになっていれば良いわけです。

CDTを使ってサブカテゴリーを形成する場合でも、商品の機能、特性を使う場合でも、大切な事はその小売業で「よし、今期はこの主張を品揃えに盛り込んで、棚割で表現しよう」という合意形成まで持ち込めるか否か、という事です。

真剣に議論する事は重要です。しかしカテマネに挑戦し、挫折していく多くの事例は、ここで考え込みすぎて先に進めなくなり、結果的にまとめなくてはならないから、ギクシャクしたサブカテゴリー構成になってしまった、というケースが多々あります。

ですから、ある程度は「割り切り」も必要です。カテマネは学問や研究発表ではないので、最終的に、機を逃さず売場を変更できて初めて結果がついてくるものなので、考えた人にしかわからないサブカテゴリー構成にならないように、わかりやすく表現する事も、実行レベルでは大切になってきます。

そして通常は、その属性を2つ以上設定して、それを縦軸、横軸に使ってマトリックスをつくり、市場規模とトレンドを検証して、どのサブカテゴリーにどの程度SKUを持たせ、スペースを配分するか考えるのです。
例えば最近ペットブームですが、ペットフードの商品構成を考える時には、以下のように整理してみるとわかりやすいと思います。

気づき」からサブカテゴリー毎の目標(概要レベル)を検討する
↓↓↓↓↓↓↓↓

※SKU数、スペース構成比は担当小売業者のモデルパターンとなる品揃え、棚割を参考にする

※左記と同じように、機能性(歯の病気予防、毛ヅヤの向上、骨を丈夫にする、ダイエットなど)を属性に使用してマトリックスをつくり、二つを比較し成長機会(気づき)を見つけるという方法も効果的です

もちろん、こういったマトリックスを作成するためには、SKUレベルのPOSデータ、市場データが必要になります。さらに、それを属性別に仕分けする必要もあります。

この準備作業には、結構な時間がかかります! ですから属性やサブカテゴリーの決定に時間をかけすぎるとこの作業段階で力尽きてしまうという事にもなりまねませんので、先ほど述べたように”ある程度”の割り切りも必要です。 また属性が決まり、データが手元にあれば、あとはエクセルのレベルでの突貫工事だけです。少しエクセル技術のある人の協力を確保しておきましょう!!

ちょっと昔だったら、こんなに細かい事を求めるバイヤーは多くはありませんでした。
そもそもデータも少なかったし、管理技術もレベルが低かったといえるでしょう。
しかし、昨今IT技術の進歩から、細かい分析や数値管理まで(いままでやりたくても出来なかったことが)出来るようになってきた結果、バイヤーも詳細を求められているし、メーカー様も詳細まで管理、分析する事が必要になってきました。

また目標を決めるときには、POSデータ(過去データ)では表現しきれない、これからの戦略、方針なども加味して設定しなくてはなりません。

さて「気づき」が見えたら、次にカテゴリーマネジメント風にサブカテゴリー毎に以下の事を検討してみましょう。

  • 1.SKU数
  • 2.スペース配分
  • 3.価格構成
  • 4.販促手段

この中で特に重要なのは、1.SKU数 と2.スペース配分 です。3.価格構成 と 4.販促手段は、どちらかというと、サブカテごとに知恵を絞るのではなく、カテゴリー全体でどのような構成にしていくかという判断も必要となるからです。

今回は「気づき」が見えるまでの経過で終わりにさせていただきます。
次回、「気づき」が見えた後の検討を具体的に書いていきたいと思います。
次回また・・・・・・。

2005年11月24日 11:14

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