RDSから見る売上トレンド

vol.82 『「日本の国民食」カレーと味噌汁の現状』

  日本の国民食と言えば、寿司やラーメンを思い浮かべる方もいらっしゃるとは思いますが、筆者からすると断トツで国民食は「カレー」と「味噌汁」だと思っております。家庭の味と言って思い浮かべるのは、やはり「カレー」と「味噌汁」なのではないでしょうか。
  ところが近年、その家庭の味である「カレー」と「味噌汁」市場に大きな変化が表れてきています。まずは「カレー」市場の大きな変化から見てまいりましょう。


【カレーカテゴリー全体の3か年推移】

※金額は100店あたり        


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  カレー市場全体は伸びているのですが、インスタントカレー(ルゥカレー)はダウントレンドとなっており、カレー市場をけん引しているのは調理済カレー(レトルトカレー)となっています。また、レトルトカレーのカレー市場における構成比も徐々に上がってきており、ルゥカレーを逆転する勢いとなっています。

これらは簡便、時短という世の中の流れも影響していると思われますが、レトルトカレーの技術革新ともいうべき味覚の向上や具材の変化などが大きな要素として考えられます。昔に比べると、専門店で食べるカレーとなんら遜色のない味や具材に驚かされます。下記のグラフはレトルトカレーの価格帯別売上構成の推移ですが、平均単価200円以上の味や具材が充実している高価格帯のレトルトカレーの構成比の伸びが顕著となっています。

【レトルトカレーの価格帯別売上構成比推移】

RDS POSスーパー全国           


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  次に、商圏タイプ別(年収)の高価格帯レトルトカレーの売上構成を年度別に見てみます。高価格帯レトルトカレーは当初は手が出にくかったのか、出はじめの2016年度は高所得者層の構成比だけが他よりも高くなっています。
2017年度、2018年度と認知度が高まっていく中で、その他の層にも幅広く受け入れられてきているように思われます。
  高価格帯のカレーには、新しいタイプの4袋入りレトルトカレーも含まれています。これらは「ハウス食品 プロクオリティビーフカレー」に代表されるように、品質の高いルゥを提供し具材は消費者が独自にアレンジするという、新たな高品質カレーとして大きく躍進しています。

【商圏タイプ別(年収)高価格帯レトルトカレー売上構成比推移】
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  さて、カレーと同様に味噌汁カテゴリーにも近年変化が見られます。味噌カテゴリー全体は微増で伸びているのですが、味噌自体は2017年8月~2018年7月の1年間で見ると前年比99.7%とダウントレンドとなっています。
今や味噌カテゴリーをけん引しているのはインスタント味噌汁となっており、売上構成も4割を超えています。共働き家庭の増加による時短ということももちろんあるかと思いますが、フリーズドライなど本格的な味の商品も登場していることも、インスタント味噌汁の増加傾向に拍車をかけていると思われます。


【味噌汁全体の3か年推移】

※金額は100店あたり        


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  伸び率の高いインスタント味噌汁を立地別に見てみると、やはり味噌汁を自分で作るのが面倒だというのが要因でしょうか、単身若年層の支持が高いことがわかります。また、味噌汁にこだわりがありそうなシルバー層が多い商圏でも38.9%の売上構成がありますので、それほど抵抗がなく手軽で美味しくなったインスタント味噌汁を購入されているのではないかと思われます。


【インスタント味噌汁の商圏別売上構成比】

RDS商圏POS2017年8月~2018年7月       


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  幅広く消費者の支持を得られているインスタント味噌汁ですが、レトルトカレー同様に新たな技術革新ともいうべき、フリーズドライ味噌汁という商品群はやはり見逃せません。特に揚げ茄子のフリーズドライ味噌汁などは、本当にインスタントなの?と思ってしまうほどのおいしさに仕上がっています。
実は、下記の表からもわかるように伸びているインスタント味噌汁の中でも、フリーズドライ味噌汁の伸び率は圧倒的で、売上構成も10%に届く勢いとなっています。

【フリーズドライ味噌汁の構成比推移】

※金額は100店あたり       


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日本の国民食ともいうべき「カレー」「味噌汁」の変貌の様子が、RDS市場データから見えてきました。家庭の味がどんどん失われていくのは寂しいことですが、専門店並みの味が手軽に味わえる時代になってきたと思えばまんざらでもないですね、というか素晴らしいことですね。
時代の変化や消費者のニーズに応えた商品開発や売場からの提案が、これからの流通に携わる人たちに重要なことなのだと改めて感じさせられました。


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